「日々は過ぎれど飯うまし」9話 感想｜ジビエカレー誕生の裏側とまこの成長とは？

『日々は過ぎれど飯うまし』第9話では、食文化研究部が学園祭でカレーを出店することに。試作と試行錯誤の末、まこが選んだのはまさかの「ジビエカレー」。

本記事では、9話のストーリーと感想を丁寧に振り返りつつ、まこや部員たちの成長、そして料理を通じて描かれたテーマを深掘りしていきます。

料理系YouTuber「モコ太郎」の存在や、まこが自信を持てるまでの心情の変化も見逃せません。

視聴後の整理に、また“もう一度味わいたい”あなたのための考察記事です。

※この記事は2025年6月8日に更新されました。

日々は過ぎれど飯うまし 9話 感想・ストーリー解説

『日々は過ぎれど飯うまし』第9話では、食文化研究部が大学祭に出店するという一大イベントが描かれます。主人公・まこにとって「他人にふるまう料理」は初めての経験。彼女が試行錯誤の末にたどり着いたのは、意外性と郷土性を併せ持つジビエカレーでした。

この章では、学園祭という舞台での彼女の挑戦と、周囲の支えによって一歩ずつ前進する姿をストーリーに沿って丁寧に振り返ります。

大学祭での出店が決定！カレーに込めた“挑戦”

第9話は、食文化研究部が大学祭に出店するところから始まります。まこは、何を作るかを真剣に悩みますが、最初に試したカレーは「普通すぎる」と感じてしまいます。

普段は家族のために作っていた料理。「他人に提供する」というハードルの高さに、まこの真剣な姿勢がにじみ出ています。部活のメンバーも一緒に考え、店の演出や衣装など準備は着々と進みます。

このパートでは、「まこが初めて“客のため”に作る料理」という点が重要です。第9話 感想の中でも特に“挑戦”のテーマが濃く表れた場面と言えるでしょう。

試作でぶつかった壁と「ジビエ」という選択肢

くれあの実家の食堂で、まこは再度試作に挑みます。手応えを得られず落ち込む中、彼女は地域の特産品でもある「ジビエ」に注目。鹿肉や猪肉など、野趣あふれる素材に可能性を見出します。

ここで描かれるのは、素材との対話です。まこは単に“珍しい”料理を目指したのではなく、「おいしく、思い出に残る味」を追求しました。その結果、ジビエカレーという、見た目にも香りにもパンチのある一皿が完成します。

食材選びから調理法まで、じっくり描かれた試行錯誤は視聴者の共感を呼びました。食をテーマにした本作らしい演出が光るパートです。

くれあの実家での調理シーンに見るチームの絆

ジビエカレー完成の鍵を握るのが、くれあの実家での調理シーンです。メンバーたちは時にふざけながらも、真剣にまこを支えます。「一人じゃできなかった」という気持ちが自然ににじみ出ていました。

特に印象的だったのは、くれあの父がさりげなくアドバイスを送る場面。家庭のぬくもりと“味の継承”が感じられ、料理と人とのつながりが表現されていました。

この回は、ただ料理を作るだけではなく「誰と、どこで、どんな気持ちで作るか」まで描いた秀逸なエピソードです。仲間との絆が、まこの料理を後押ししたのは間違いありません。

ジビエカレーの魅力とアニメならではの表現

まこが辿り着いた答えは「ジビエカレー」。鹿肉や猪肉という一見マイナーな食材が、“学祭で出す料理”としてどのような意味を持ち、視聴者にどう響いたのか──。

この章では、料理そのものの魅力と、それを描いたアニメならではの表現技法に注目して考察します。料理を通じた文化描写と、視覚・音響演出の融合が作品の奥行きを支えていました。

鹿肉と猪肉、異色の食材が持つ“温かさ”

一般的なカレーの具材といえば牛肉や鶏肉が主流ですが、第9話で使われたのは鹿肉と猪肉というジビエ。日本ではまだ日常的ではないこの食材を、まこは「地元らしさ」と「特別感」を兼ね備えた材料として採用しました。

その選択には、「自分たちにしか出せない一皿を作りたい」という彼女の思いが込められています。素材そのものに地域性とストーリー性が宿っているため、料理が単なる“食べ物”を超えた存在として描かれました。

作中ではジビエ特有の匂いや脂の扱いも語られており、料理に対する誠実な視線が感じられます。単なる変わり種ではなく、「誰かの記憶に残る味」を追求したその姿勢が、多くの視聴者の心を打ちました。

📌ジビエ肉の特徴比較

食材	特徴
鹿肉	高タンパク・低脂肪。赤身で柔らかく、クセが少ない。
猪肉	脂身が多くコクがある。ややクセが強いため下処理が重要。

視覚・音・湯気——料理演出がもたらす臨場感

第9話では、料理アニメにおいて重要な“調理演出”がひときわ丁寧に描かれていました。カレーが煮込まれる音、皿に盛りつけられる瞬間の光、そして画面越しにも感じられる湯気──。

これらの描写が、ジビエというやや馴染みの薄い料理を視聴者に「食べてみたい」と思わせる力を生んでいます。カレーのとろみや肉のほぐれ具合、ライスとのバランスまで描かれた映像美は、まさに本作の真骨頂でした。

アニメだからこそ可能な“五感の再現”が、まこたちの努力と料理の完成度をよりリアルに伝えています。ジビエカレーという選択を視覚・聴覚・心理的満足へとつなげた演出は、食アニメとしての完成度を一段押し上げたといえるでしょう。

📖【補足】料理演出における「湯気」の重要性

アニメにおける湯気の描写は、料理の「温度」や「出来たて感」を伝える重要な要素。CGや作画で自然な揺らぎを再現することで、視覚的なリアリティと食欲の訴求力を高めています。

モコ太郎の登場と、まこにとっての“料理の意味”

ジビエカレーが完成し、学祭当日を迎えるまこ。そこで明かされるのが、彼女が尊敬する料理系YouTuber「モコ太郎」の存在です。

何気ないエピソードのようでいて、まこの“料理を作る理由”に大きく関わる伏線が張られていたのがこのシーンでした。ここではモコ太郎の影響と、まこが感じた心の変化に注目します。

まこが尊敬するYouTuberが学祭に？その意外な伏線

作中で語られるモコ太郎は、まこが日頃から動画を見ている料理系インフルエンサー。日常的な食材でおいしい料理を作るその姿勢に、彼女は共感し、影響を受けてきました。

第9話では、そんなモコ太郎が「たまたま学祭に来ていた」と判明します。直接の邂逅はありませんが、まこが作ったジビエカレーを食べ、「おいしい」とSNSでつぶやいたことが後にわかる展開です。

偶然がもたらした承認の瞬間は、まこにとって何よりの報酬でした。誰かに届く料理という概念が、ここで初めて現実味を帯びてくるのです。

🎤【豆知識】モコ太郎の声優は「もえのあずき」さん！

実はモコ太郎の声を演じているのは、大食いアイドル「もえのあずき」さん。バラエティ番組やYouTubeでも活躍しており、“食”の分野で現実に強い影響力を持つ存在です。声の出演という形でアニメとリアルが絶妙にリンクしていました。

「誰かのために作る」ことの意味が見えた瞬間

これまでのまこは、家族や部員のために料理を作ることはあっても、「不特定多数の誰かに届ける」経験はありませんでした。しかし学祭を通じて、それが叶ったことで料理の意味が変わり始めます。

特に、SNSで反響が広がっていく中、まこは「味で誰かとつながる」感覚を初めて実感します。料理は言葉を超える表現というメッセージが、ここに強く込められているように感じられました。

この気づきは、今後のまこにとって大きな転機になるはずです。作ることが自分の存在意義になる──そんな兆しが見えた、温かなワンシーンでした。

日々は過ぎれど飯うまし 9話のネットの反応と評価

第9話の放送後、SNSやブログでは「ジビエカレーが美味しそう」「まこが可愛かった」「作画が安定してた」など、さまざまな反応が飛び交いました。中でも注目されたのは、“ジビエ”というややマニアックなテーマへの挑戦と、料理演出の完成度です。

この章では、ネット上のリアルな声を拾いながら、評価ポイントと話題の傾向を整理していきます。

「ジビエ食べてみたい！」と話題に。SNSの反応は？

放送後のX（旧Twitter）や感想系サイトでは、「鹿肉カレーを食べてみたくなった」「あの肉の描写はリアルすぎる」など、ジビエ料理の描写が多くの視聴者の興味を引いていました。

特に、まこが食材に向き合う真剣な姿勢や、料理の完成度がビジュアルとともに高評価を得ており、「飯テロアニメの中でもトップクラス」との声も見られました。リアリティと挑戦性の融合が、視聴者の食欲と好奇心を同時に刺激したようです。

普段ジビエに触れない層にも訴求した回として、SNS上では異色の注目度を獲得していたのが印象的でした。

作画や構成への評価──シリーズ屈指の“完成度回”

アニメとしての技術的な評価も高く、「構成が綺麗にまとまってた」「キャラの表情が繊細だった」「盛り付けシーンにこだわりが見えた」など、演出と作画の安定感が称賛されています。

一部では「最終回かと思った」と冗談めかして語られるほど、起承転結の構成が美しく、特に調理シーンから学園祭本番までのテンポが好評でした。一話完結型としての満足度が非常に高いという評価も多かったです。

地味ながら印象に残る“職人回”として記憶されており、今後の話数への期待値も高まっています。

まとめ｜日々は過ぎれど飯うまし 9話の魅力を振り返って

『日々は過ぎれど飯うまし』第9話は、まこの挑戦と成長、そして“料理を通じたつながり”を丁寧に描いたエピソードでした。ジビエという食材を選び、見慣れない料理に真正面から取り組む姿勢は、まさに彼女らしさの結晶です。

ジビエカレーのリアルな描写と人との温かな関わりが組み合わさり、視覚・感情両面で深い満足感を残しました。料理は誰かの心に届く──そんなメッセージが静かに胸に残ります。

次回、まこはどんな一皿で、どんな人と出会うのでしょうか。物語の続きがますます楽しみです。