「タコピーの原罪」5話 感想|タコピーが犯した“真の原罪”と視点の反転

「タコピーの原罪」5話 感想|タコピーが犯した“真の原罪”と視点の反転 タコピーの原罪
記事内に広告が含まれています。

「タコピーの原罪」第5話を見終わった瞬間、頭が真っ白になりました。

元々は「しずかを救う話」だと思っていたのに、まさかタコピーが犯した“真の原罪”とは別の人物──まりなを救おうとしていた過去がすべてを塗り替えるなんて……。

この記事では、第5話「2022年のきみへ」の衝撃展開を、「タコピー」「まりな」「しずか」の視点で深く考察します。時間軸の揺らぎや善悪の逆転に注目し、一話ごとの意味が劇的に変わるこのエピソードの核心に迫ります。

読むことで、あなたは物語の構造とキャラの葛藤を整理でき、次回最終話へ備える準備ができるはずです。

※この記事は2025年7月26日に更新されました。

あわせて読みたい
「タコピーの原罪」が映す現代のリアル|母子家庭×貧困×いじめ…子どもたちの叫びと社会への問い
アニメ版『タコピーの原罪』が描く社会問題を、母子家庭・貧困・いじめなどの現実と重ねて鋭く分析。

この記事を読むとわかること

◆内容◆

  • タコピーの原罪5話の核心展開と感想
  • まりな・しずか・東くんの心理考察
  • 時間軸や構造、演出面の見どころ

タコピーの原罪 5話感想・核心まとめ

「タコピーの原罪」第5話は、シリーズ全体を揺るがす“視点の反転”が描かれた回です。

これまで「しずかの救済」と思われていた物語は、ここで大きく転換します。タコピーが実は「最初に出会ったのはまりなだった」という事実が明かされ、私たちが抱いていたキャラクターへの印象や、物語の構造そのものが根本から覆されました。

この章では、タコピーの“原罪”の本質や、視点が変わることで見えてくるキャラクターの善悪の揺らぎを丁寧に解説します。読後に胸に残る「やるせなさ」や、「本当の罪」とは何かという問いを深堀りし、作品の核心に迫ります。

タコピーが初めて出会ったのは「しずか」ではなく「まりな」だった

第5話で最大の衝撃だったのは、「タコピーが地球に最初に降り立ったとき、しずかではなくまりなと最初に出会っていた」という事実でしょう。

これまで物語の中心にいた“しずか”が、実は「過去を改変された二人目の対象」だった──この事実は、読者にも登場人物にも重い衝撃を与えます。まるで物語の根底がすり替わるような展開は、視点のトリックとも呼べる演出です。

実際、冒頭の「2022年のきみへ」の手紙はしずか宛てのものと見せかけ、時間を遡るたびに“まりな”へのメッセージに変化していきます。この脚本上の仕掛けにより、読者は過去回の出来事も新しい視点で捉え直すことを強いられるのです。

この展開は、「タコピーの原罪」が単なるSFや救済の物語ではなく、“誰かを救うための選択”が持つ倫理的ジレンマを突きつけるドラマであることを鮮やかに示しています。

タコピーの“原罪”とは何だったのか?その行動の結果を考察

タイトルにもある「原罪」とは、いったい何を指していたのでしょうか。第5話の真相によって、タコピーの“善意”が別の意味を持つことが明らかになります。

まりなの絶望を救いたいという純粋な想いで「ハッピー道具」を使ったタコピー。しかし、その結果はまりなの人生だけでなく、しずかの運命や周囲の関係性までも大きく狂わせてしまいました。これは「誰かの幸せを願うことが、別の誰かの不幸につながる」という取り返しのつかない選択の悲劇です。

「原罪」という言葉の重みは、過去の行為そのものよりも、その後の因果や代償に宿ります。タコピー自身は“無垢”であろうとしながら、本来救うはずだったまりなをも傷つけてしまった──この事実が、本作のテーマの根深さを物語っています。

「原罪」とは?
宗教や倫理で使われる用語で、人間が生まれながらにして背負っている根本的な罪や過ちを指します。作中では「善意の行動が別の悲劇を生む」ことの象徴として用いられており、タコピーが犯してしまった取り返しのつかない“選択”の意味も込められています。

「ハッピー道具」とは?
タコピーが地球で使用する“誰かを幸せにする”ことを目的とした便利道具の総称。物語の鍵を握る存在ですが、必ずしも全員が幸せになるわけではなく、使い方次第で悲劇も招くため第5話では“道具の功罪”も問われています。

善と悪の反転──視点が変えるキャラクター評価

第5話は、善悪の価値観が一気に逆転する回でもありました。しずか、まりな、東くん、それぞれの視点で過去を見直すことで、“悪役”と思われていたキャラが持つ弱さや優しさ、逆に“被害者”と見なされていた側の危うさも浮かび上がります。

例えば、まりなは決して一方的な加害者ではなく、彼女なりの孤独と絶望を抱えていました。そしてタコピーもまた、「善意の押し付け」や「自分だけの救い」に縛られていたことが明らかになります。視点の反転によって、一人ひとりの“正しさ”が相対化される──これが本エピソードの最大の魅力です。

こうした多層的なキャラクター描写によって、視聴者は「誰かを断罪することの難しさ」と、「本当の正義や救いとは何か」という根源的な問いを投げかけられるのです。“物語を多面的に見つめ直すきっかけ”になる回だと感じました。

【第5話のポイントまとめ】

  • タコピーが最初に出会ったのはしずかではなくまりなだった事実が明かされる
  • 善悪や被害者・加害者の立場が反転し、視点によってキャラ評価が揺らぐ
  • 過去と現在、複数の時間軸が交錯する構造が印象的
  • 演出・音楽による感情の補強が強く、余韻が深い回
  • 最終話への大きな問いと期待を残す展開

タコピーの原罪5話、視点がひっくり返る展開は衝撃だったよね!

にゃん子
にゃん子

あれは予想外すぎたにゃ!誰の視点で見るかで感情も全然変わるにゃ!

次回、どんな結末になるのか…ラストまで見逃せないよ!

時間軸・構造の整理:複雑な因果と記憶のずれ

第5話「2022年のきみへ」では、物語の時間軸が複雑に交差します。

従来のエピソードでは、過去から現在への一方向的な進行が描かれていましたが、今回は2022年と2016年を行き来する多層的な構造になっています。

タコピーの視点喪失、記憶の断絶、そして再生。この“時間のねじれ”が、各キャラクターの運命と物語のテーマをより深く浮かび上がらせています。

2022年と2016年を行き来する物語構造とは

「タコピーの原罪」第5話は、複数の時間軸を巧みに重ね合わせて描かれています。

2022年現在の“しずか”の視点と、6年前の2016年の“まりな”の視点が絶えず交錯し、視聴者は「どちらの時点が本当の現実なのか?」と混乱させられます。この大胆な構成によって、過去をやり直すことの苦しみと希望が、強く浮き彫りにされています。

5話で特に印象的だったのは、手紙や回想シーンを通じて過去と現在が幾重にも重なり合い、“運命の分岐点”がいくつも示される点です。これにより、キャラクターたちが「自分の罪や後悔」と向き合いながら、それぞれの未来へと歩み出す流れが自然と生まれているのです。

「時系列の混線」が物語の真意を際立たせる──それがこの回の大きな特徴だと感じました。

記憶を失ったタコピー、復活した意識の意味

タコピーはこのエピソードで一度“記憶”を失い、再び意識を取り戻すことでもう一度やり直すチャンスを得ます。

一見すると「都合の良いリセット」に思えますが、実はタコピーの記憶喪失は痛みや後悔からの逃避でもあり、同時に「過去の選択に正面から向き合う」きっかけにもなっています。

記憶をなくしたことで“ゼロ”に戻れるはずのタコピー。しかし現実は、まりなやしずかと再び交差することで、自分の“原罪”と向き合わざるを得ない状況へと追い込まれます。これは単なる物語上の仕掛けではなく、「人は過去の過ちを本当にやり直せるのか?」というテーマそのものを問う演出です。

この複雑な記憶と時間のねじれが、物語に独特の深みと苦い余韻をもたらしていました。アニメとしても、ここまで「構造そのもの」を主題化した例は珍しいでしょう。

キャラクター別考察:まりな・しずか・東くんの心理と行動

「タコピーの原罪」第5話では、主要キャラクター三人それぞれの心理が丁寧に描き分けられています。

まりな、しずか、そして東くん。それぞれが異なる苦しみと願いを抱えており、彼らの行動原理や感情の揺らぎが物語の奥行きを生んでいます。

この章では、三人のキャラクター像と第5話で明らかになった本音や葛藤に注目しながら、“人間らしさ”と“救い”の意味を掘り下げていきます。

まりなの過去と絶望、そしてタコピーに見せた願い

これまで強気で支配的な“悪役”として描かれてきたまりなですが、第5話では彼女の孤独と絶望が強調されます。

家庭環境の不安定さ、母親との確執、誰にも認められないという寂しさ。そうした背景が細やかに描かれ、視聴者は「なぜまりながあれほどまでに強く振る舞おうとしたのか」を初めて納得できるはずです。

タコピーと出会ったときのまりなは、「本当は誰かに助けてほしい」と叫ぶ心の叫びを持っていました。彼女がタコピーに託した“ハッピー”への願いは、決して自己中心的なものではなく、誰かに必要とされたかったという切実な叫びだったのでしょう。

その願いが歪んだ形で叶えられ、最終的に自分をも苦しめてしまう──この皮肉な展開は、「優しさが誰かを救うとは限らない」という人間関係の難しさを象徴しているように感じます。

しずかの“魔性”と周囲への影響力

第5話を通してしずかのキャラクター像も大きく変化しました。これまで「悲劇のヒロイン」として映っていた彼女ですが、実は周囲の人々に無意識に大きな影響を与えていたことが明らかになります。

しずかは「自分が不幸であること」を受け入れる強さと弱さを同時に持ち合わせ、無自覚な“魔性”を発揮しています。まりなや東くん、そしてタコピーまでもが、彼女の存在によって運命を大きく左右されていくのです。

特に、しずかがまりなに対して時折見せるやさしさや距離感は、彼女の本質的な「優しさ」と「孤独」の二面性を映し出しています。しずかの“魔性”は、「本人が意図しないまま他者を傷つける」ことの象徴でもあり、それが物語に独特の緊張感を与えています。

この回を見て、「誰かの存在そのものが周囲の人の運命を変えてしまう」“人間ドラマの不条理”を痛感しました。

東くんの関与──承認欲求と隠蔽への葛藤

東くんはこれまであまり掘り下げられてこなかったキャラクターですが、第5話で彼の承認欲求と複雑な心理が浮かび上がります。

彼は誰よりも“普通”でいたいと願い、まりなやしずか、タコピーの間で揺れ動きながらも、「自分だけは傷つきたくない」という弱さに縛られていました。そのため、事件の真相や自分の立場を隠蔽するために、時に嘘や沈黙を選んでしまいます。

しかし東くんのこうした態度は、「弱さ」そのものを否定するものではなく、誰しもが持つ“自己防衛本能”の現れとして非常にリアルです。東くんの人間味が、作品全体の緊張感と共感性を底上げしていると感じました。

📌キャラクターごとの第5話での心理と変化

キャラクター第5話での心理・変化
まりな孤独・絶望からタコピーへの依存、救いを求める願い
しずか無意識の“魔性”と周囲への影響、自身の孤独を受け入れる強さ
東くん承認欲求と自己保身、嘘や隠蔽への葛藤
タコピー記憶喪失から原罪との再対峙、善意の代償に苦悩

演出・音楽・制作から見る第5話の質

「タコピーの原罪」第5話は、ストーリーだけでなく演出や音楽、制作陣の手腕にも注目したい回です。

ENISHIYAによる色彩やカット割りの妙、BGMや主題歌が生み出す余韻──物語の“重さ”や“残酷さ”をより鮮やかに際立たせています。

この章では、映像・音楽表現がいかに作品の世界観とテーマ性を高めているのか、その技術的背景と共に考察していきます。

ENISHIYA制作の色彩演出と象徴性

第5話ではENISHIYAの色彩設計と映像演出が際立っています。

特に印象的なのは、まりなとタコピーの出会い、しずかの孤独、過去と現在の交錯を示すシーンごとに、「明度」や「色温度」を巧みに切り替える演出です。まりなの絶望を映す場面では、全体に青みがかった寒色が多用され、タコピーとの邂逅や希望の断片が差し込む瞬間だけ暖色のライティングが挿入されます。

こうした色彩の対比は、登場人物の心理や、物語が持つ“二重構造”を映像的に強調しています。ENISHIYAは決して説明過多にはせず、“沈黙の間”や“余白”を活かしたカット割りで、視聴者自身に「感情の余韻」を委ねているのが特徴的です。

映像そのものが「言葉以上に語る」瞬間が多く、個人的には一度止めて画面を眺めたくなる場面がいくつもありました。

OP/EDの対比と物語のテーマ性を高める音楽設計

第5話は、主題歌やBGMもまた物語のテーマ性を強く補強しています。

OPはどこか“希望”や“再生”を感じさせる明るさがある一方で、EDは一転して「喪失感」や「取り返しのつかない過去」を思わせる切ない旋律へと変化。OP→EDのコントラスト自体が、タコピーたちの運命や救済の不可能性を強調しています。

また、劇中BGMもキャラの心情変化に寄り添うように変化し、緊張感や哀しみを直感的に伝えてきます。セリフがないシーンでも、音楽の余韻だけで心情が伝わってくる──そんな“静と動のバランス”が本作ならではの魅力だと改めて感じました。

最終話に向けて:第5話が提示した問いと期待

「タコピーの原罪」第5話は、これまでのストーリーやキャラクターへの認識を大きく揺るがす重要なターニングポイントでした。

視点の反転、時間軸の交錯、そして“救い”が新たな“罪”を生むという構造は、私たちに「本当の優しさとは何か」「過去をやり直すことに意味はあるのか」という問いを突きつけています。

個人的に最も心に残ったのは、「誰かのための善意が、別の誰かの苦しみになる」という切なさと、“選択”の重さです。タコピー、まりな、しずか、東くん――彼ら一人ひとりの行動が、予想もしなかった因果を生み、誰もが「自分だけが悪いのではない」と感じながらも、誰一人“完全な救済”にたどり着けない現実が描かれていました。

最終話では、こうした“やり直し”の果てにタコピーやキャラクターたちがどのような結末を迎えるのか、「罪」と「許し」「本当のハッピーエンド」がどう描かれるのかに注目が集まります。

「正しさ」「後悔」「誰かの幸せを願う気持ち」――それぞれが複雑に絡み合う本作が、読者や視聴者の心にどんな余韻を残してくれるのか。最終話放送後も、ぜひ皆さんの感想や考察をSNSやコメント欄で語り合ってほしいです。

【参考リンク】
タコピーの原罪公式サイト
タコピーの原罪公式X

この記事のまとめ

◆ポイント◆

  • タコピーの原罪5話で視点の反転が描かれる
  • まりな・しずか・東くんの感情が深堀りされる
  • 過去と現在が交錯し物語が進行する
  • 演出や音楽が重厚な余韻を残す
  • 最終話への期待と注目ポイントが明確に

最後まで読んでいただきありがとうございます。
タコピーの原罪5話は想像以上に心を揺さぶられました。
最終話の展開や皆さんの感想・考察もSNSでぜひシェアして下さい。

タイトルとURLをコピーしました