「よふかしのうた」2期7話では、ナズナの過去とキョウコとの関係が大きな焦点となりました。舞台はナズナの母校。彼女が吸血鬼でありながら学校に通っていた記憶や、そこで出会った文芸部の少女・目代キョウコの日記が明らかになります。
授業に参加するコウ、教師として登場するニコ、そして10年前のナズナとキョウコの交流。浮気調査をきっかけに垣間見える「家族」への複雑な想いは、物語を一層深いテーマへと導いていきます。
この記事では、よふかしのうた2期7話のあらすじを整理しつつ、感想と考察を交えてナズナとキョウコの関係を紐解いていきます。
※この記事は2025年8月16日に更新されました。
◆内容◆
- よふかしのうた2期7話のあらすじ
- ナズナとキョウコの関係性
- 家族に関するテーマの描写
- 吸血鬼と人間社会の交わり
よふかしのうた 2期7話 感想・ストーリー解説
第7話は、ナズナが自分の過去に向き合うために母校を訪れるエピソードです。吸血鬼である彼女に「学校の思い出」があること自体が意外ですが、そこには楽しい記憶ではなく、心に引っかかる過去が眠っていました。
物語はナズナとコウの関係を越えて、吸血鬼と人間の交差点にある“学校”という場を舞台に展開します。吸血鬼が社会に溶け込みながら生きている姿は、これまでのシリーズを見てきた読者にも新鮮な驚きを与えたでしょう。
ナズナが母校を訪ねる理由と定時制高校の描写
ナズナが母校に足を運んだ理由は、自分の過去の記憶に手がかりを求めたからです。10年前に通っていたという話を聞くだけで、吸血鬼が「学校に通う」というギャップが強い印象を残します。彼女自身も「楽しい思い出はない」と語っており、その場には孤独や居心地の悪さがまとわりついているのが伝わります。
舞台となるのは定時制高校で、夜に授業が行われていることに納得させられる設定です。人間社会の仕組みと吸血鬼の生活リズムが自然に重なり合っている描写は、この作品らしい巧妙な演出といえます。夜の学校という舞台は、不安と懐かしさを同時に呼び起こす不思議な雰囲気を漂わせています。
コウにとっては、中学生の自分が高校の教室に座るという非日常体験。観ている側も「彼がこの場にいること自体」が小さな違和感となり、視聴体験をユニークにしていました。まるで異世界に足を踏み入れたような、現実と非現実の境界が揺らぐ瞬間が描かれています。
ニコが教師として登場し、吸血鬼が社会に溶け込む姿
今回の大きな驚きは、ニコが教師として登場したシーンです。カブラが看護師として働いていることもそうですが、吸血鬼が人間社会に普通に溶け込み、役割を持って生活していることがより具体的に示されました。
吸血鬼と聞くと、人間社会から隔絶された存在をイメージしがちです。しかし本作では、彼らが「人間の姿のまま」現実社会の中で役割を果たしていることが描かれています。これは単なるファンタジーの要素に留まらず、社会との共存というテーマを浮かび上がらせているように感じられました。
ニコの姿に驚きつつも、ナズナは「メンタルが弱すぎ」と指摘されます。このやり取りからも、吸血鬼だからといって強靭な存在ではなく、人間らしい弱さを抱えているというメッセージがにじみ出ていました。“人間と変わらない存在”であることが、この作品の吸血鬼像をよりリアルにしているといえるでしょう。
授業に参加するナズナとコウ、それぞれの自己紹介
ナズナとコウが教室に入り、自己紹介をする場面は印象的でした。ナズナは「趣味は酒とゲーム」と相変わらずのマイペースさを見せますが、「吸血鬼」と言いかけて慌てる姿には思わず笑みがこぼれます。彼女にとって教室という場は居心地が悪く、無理をしているのが伝わってきました。
一方で、コウは堂々とした自己紹介を披露します。中学生でありながら高校の教室に立つことは大きなハードルですが、彼は完璧にこなしました。その姿に、ナズナが思わず比較されるような立場になってしまうのも皮肉に思えます。
授業が終わると、クラスメイトが自然にコウに声をかけます。この場面は、人間関係におけるナズナの苦手さと、コウの適応力の差を際立たせていました。ニコの「メンタル弱すぎ」という言葉が、そのギャップを端的に表していたように感じます。ナズナの孤独とコウの成長を同時に映し出す巧みな演出でした。

ナズナの高校時代って意外と重たいテーマが多いな。

ほんとだにゃ。探偵ごっこも家族の闇に直結しててびっくりだよ。

この先どう展開するのか気になるところ、続きを見ていこう!
ナズナと目代キョウコの出会いと文芸部での交流
第7話の大きな軸となるのが、ナズナと目代キョウコとの出会いです。孤独だったナズナにとって、文芸部での邂逅は数少ない心のよりどころでした。キョウコは初めての友達であり、彼女の存在がナズナに人との繋がりを思い出させていきます。
しかしその交流は単純な友情ではなく、互いの“家族”や“変わり者”としての境遇に影を落としながら続いていくのが特徴です。そこには、よふかしのうたらしい繊細で切ない人間関係の描写が息づいています。
10年前の高校生活、孤独だったナズナとキョウコの邂逅
ナズナは10年前、高校に通っていましたが、当時は孤立し、友達もできずに過ごしていました。笑われ、居場所がないと感じる彼女にとって、学校は苦しい記憶を呼び起こす場所でした。その寂しさが今のナズナの性格にも影響しているのだと感じられます。
そんな彼女が足を踏み入れた文芸部で出会ったのが目代キョウコです。昼寝をしていたナズナに、キスをしようとするような場面から始まる関係は、どこか不思議で強烈な印象を残しました。孤独と孤独が交わった瞬間が、物語を動かし始めたのです。
ナズナが「変わり者」として浮いていたのと同じように、キョウコも「変わっている女」として自らを語ります。互いに世間とずれた存在同士だからこそ、引かれ合うように距離を縮めていったのだといえるでしょう。
探偵ごっこと「変わり者」同士の距離感の近さ
ナズナとキョウコの関係を象徴するのが、「探偵ごっこ」です。本の影響で探偵になりたいと言い出したキョウコに対し、ナズナが浮気調査を持ちかける場面は、どこか子供っぽく、しかし真剣さを帯びていました。
彼女たちは男子の告白をあっさり断ったり、「私くらいならいけると思った?」と鋭く返したりと、他者と距離を置く姿勢を共有しています。その一方で、互いには素直に弱さをさらけ出すことができていたのが印象的です。
探偵ごっこは単なる遊び以上に、ナズナとキョウコが互いを認め合う儀式のようにも思えます。孤独な者同士が心を許し合い、現実では得られない居場所を見つけようとしているように映りました。
キョウコの家族への不信と、ナズナの家族観の対比
ナズナとキョウコの会話で特に印象的だったのは「家族」に関するやり取りです。キョウコは自分の家庭が不仲であると語り、その冷めた感情を隠そうとしません。男子に厳しく接するのも、その背景に家族への不信感があるからだと示唆されています。
一方で、ナズナは「自分には家族がいない」と淡々と話します。人と吸血鬼の子である彼女にとって、家族は存在しながらも同時に失われたもの。だからこそ、キョウコの悩みを聞きながらも「浮気調査をしないか」と軽く提案できたのでしょう。
この対比は、二人の関係をより立体的にしています。家族に縛られる少女と、家族を持たない少女。その両極の立場だからこそ、彼女たちは互いに興味を惹かれ合い、特別な絆を結んでいったのだと考えられます。
浮気調査が映し出す“父と娘”のすれ違い
ナズナとキョウコの関係を象徴するのが「浮気調査」です。探偵ごっこの延長線で始まったはずの行為は、次第に父と娘の複雑な関係を照らし出していきました。家族に対する不信と期待、その両方が交錯するシーンは、第7話の中でも最も胸に迫る場面といえるでしょう。
パスワードやライターといった小さな手がかりが、家族の本心を映し出す“証拠”になっていく流れは、物語的にも非常に巧みでした。彼女たちが遊び半分で始めた調査が、やがて深刻なテーマを浮かび上がらせる展開は心を掴みます。
父の部屋のパスワードが示す娘への想い
キョウコの父の部屋に設定されたパスワードは、両親の誕生日ではなく、娘であるキョウコの誕生日でした。この瞬間、彼女は父からの愛情を確かに感じながらも、同時に強い戸惑いを抱きます。愛されているはずなのに、なぜか心の距離は近づかない――その矛盾こそが、彼女の家族観の根底にある葛藤です。
ナズナは「それは父親が娘を大切に思っている証拠」だと受け止めようとしますが、キョウコは素直に受け止められません。この認識のすれ違いが、父と娘の関係をさらに複雑にしていました。視聴者もまた「どちらが正しいのか」と考えさせられる瞬間だったと思います。
小さな数字の羅列に込められた父の想い。その重さを素直に受け取れない娘の心情が切なく響く場面でした。
ライターに込められた本当の意味と父の気持ち
部屋の引き出しを開けたキョウコは、父にプレゼントしたライターを見つけます。そこに込められた意味をどう受け取るかで、彼女の心情が大きく揺れ動きました。「私からの贈り物を使いたくなかったのでは」と考える彼女の言葉には、深い不信感がにじんでいました。
しかしナズナは「煙草をやめたのかもしれない」と別の解釈を提示します。同じ事実でも解釈が全く異なる――そのやり取りは、人と人との関係は見方ひとつで変わるという本作のテーマを映し出しているように思えます。
父の本心はどこにあったのか。視聴者もまた答えを探しながら、キョウコの不安とナズナの希望の間で揺れることになりました。ライターは単なる小道具ではなく、家族をめぐる象徴的なアイテムだったのです。
突然の物音が示唆する不穏な展開
ライターを発見した直後、突然部屋の扉が開く音が響きます。この演出は、これまでの探偵ごっこの延長のような軽さを一瞬で吹き飛ばしました。まるで日常と非日常の境界線を踏み越えてしまったかのような、不穏な気配が漂います。
観ている側としては「父親が帰ってきたのか」「それとも別の人物なのか」という不安と緊張が一気に高まりました。ここで物語は、家族の問題という心理的テーマから、次の大きな事件性を帯びた展開へと舵を切ったのです。
この突発的な音の演出は、ただの驚きではなく「二人の関係性に決定的な転機が訪れる」という予兆でした。キョウコとナズナの探偵ごっこが、ついに現実の問題へと踏み込んでしまう。そんな強烈な余韻を残したラストでした。
よふかしのうた 2期7話 感想まとめ
今回の第7話は、ナズナの母校を舞台に過去が少しずつ明らかになり、キョウコとの出会いと家族にまつわるすれ違いが描かれました。吸血鬼でありながら学校に通っていたナズナの孤独や、友達になったキョウコの複雑な家庭事情は、二人の関係を特別なものにしています。
浮気調査という遊びのような出来事が、父と娘の距離感や家族の絆を象徴するモチーフへと変わっていく展開は非常に印象的でした。パスワードやライターといった些細なものに想いが込められている描写は、よふかしのうた特有の繊細さを強く感じさせます。
また、コウやナズナの日常と、キョウコの抱える暗い現実が交錯することで、物語はより一層奥行きを増しました。突然の物音によって終わったラストシーンは、不穏さと期待を同時に抱かせる余韻を残します。次回以降、ナズナとキョウコの関係がどのように進展するのか、見逃せない展開となるでしょう。
【参考リンク】
よふかしのうた公式サイト
よふかしのうた公式X
◆ポイント◆
- よふかしのうた2期7話はナズナの母校が舞台
- ナズナとキョウコの出会いが描かれる
- 浮気調査で家族の絆が浮き彫りに
- ニコの教師姿など吸血鬼の社会性が強調
- ラストは不穏な展開への予兆で締めくくり

ご覧いただきありがとうございます。
よふかしのうた2期7話はナズナとキョウコの関係が深く描かれ、家族というテーマが胸に迫りました。
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