「もし、好きな人の記憶から“あなただけ”が消えたら──どうしますか。」そんな少し怖い問いかけから始まったように感じたのが、『機械じかけのマリー』第11話「忘れられたマリー」です。お風呂場のドタバタから一転、マリーだけを忘れたアーサーという展開に、笑いと切なさが同時に押し寄せた人も多いのではないでしょうか。
この記事では、『機械じかけのマリー』第11話のあらすじをおさらいしつつ、マリーの自己否定やアーサーの記憶喪失が意味するものを、感想とテーマ考察の両面から言葉にしていきます。さらに、SNSでの反応や「ご都合主義?」と感じられがちなポイントも整理しながら、この回をどう味わえば楽しいのかを、アニメ研究家としての視点で紐解きます。
読み終わる頃には、「忘れられたマリー」というタイトルが、ただのショックワードではなく、二人の“約束の物語”として心に残っているはずです。ネタバレを含みますので、視聴後の振り返りとして、ゆっくり一緒に整理していきましょう。
※この記事は2025年12月17日に更新されました。
◆内容◆
- 機械じかけのマリー第11話のあらすじ
- マリーの正体と記憶喪失の意味
- お風呂シーンの意図とすれ違い構図
- SNSでの第11話の評価まとめ
- 第12話への伏線と今後の展開予想
『機械じかけのマリー』第11話「忘れられたマリー」あらすじ・感想・考察
『機械じかけのマリー』第11話「忘れられたマリー」は、日常の延長にあるお風呂騒動からスタートし、終盤でマリーだけを忘れたアーサーというショッキングな状況へたどり着く回でした。表面上はラブコメらしい笑いが続きつつ、水面下ではずっと先送りにしてきた“秘密”と“本音”が動き始めています。
ここではまず、第11話の流れをコンパクトに振り返ったあと、マリーの罪悪感やアーサーの変化、四つ葉のクローバーに込められた意味を整理していきます。ストーリーをなぞるだけではなく、「この展開は二人にとって何だったのか?」を一歩踏み込んで見てみましょう。
第11話「忘れられたマリー」あらすじまとめ(ネタバレあり)
遊園地騒動の翌日、マリーとアーサーは屋敷の浴室で鉢合わせします。従業員用のお風呂が壊れていたというマリーの説明から、「ロボットなのに風呂?」という小さな違和感がにじみ出る導入でした。
その直後、足を滑らせたアーサーがマリーを押し倒し、清掃員に電気を消され鍵までかけられるという、ラブコメ定番のハプニングへ発展します。視聴者はニヤニヤしながらも、正体バレの匂いを敏感に感じ取ることになります。
暗い浴室で、マリーは「いつから私のことを」と問いかけ、本当は“いつから人間だと気づいたのか”を確かめようとします。しかしアーサーは“いつから好きになったのか”だと受け取り、二人の会話は気持ちよく噛み合わないまま進んでいきます。
やがてアーサーは仕込まれていた毒の影響で倒れ、医師から「特殊な毒が使われている」と告げられます。目覚めた彼はマリーにだけ「はじめまして」と口にし、マリーに関する記憶だけが抜け落ちていることが判明します。この流れは、アニメイトタイムズの第11話記事でも大きな見どころとして紹介されていました。
お風呂ハプニングから始まる“正体バレ”とすれ違いラブコメの妙
前半のお風呂シーンは、一見ただのラッキースケベですが、実はずっと先送りされてきた「ロボット設定の綻び」を浮かび上がらせる役割を担っていました。マリーの「従業員用のお風呂が壊れていて」という一言は、とてもさりげないのに、嘘を続ける限界が近いことを知らせる重たいサインのようにも感じられます。
私の解釈では、この違和感こそが“正体バレのカウントダウン”の始まりで、視聴者が落ち着かない気持ちになる理由でもあります。笑っているのに、どこか冷や汗をかくような空気がずっと流れていました。
暗闇の中で、アーサーはマリーを女性として意識しすぎて「順序を守らなければ」と一人で空回り気味になります。一方マリーは、自分の秘密が露見するかもしれない不安でいっぱいで、二人の心の温度差はかなり極端でした。
「いつから私のことを」という台詞は、視聴者だけが本当の意味を知っているセリフです。恋の告白イベントだと思い込むアーサーと、罪の告白の準備をしているマリー。この二重構造は、公式ストーリー紹介が打ち出している“ラブコメとシリアスの同居”を象徴しているように、私には見えました。
マリーだけを忘れる記憶喪失が描くテーマとキャラクター変化の考察
アーサーが目を覚まし、マリーに「はじめまして」と言う瞬間、視聴者は一気に現実へ引き戻されます。毒による後遺症でマリーだけの記憶を失うという展開は、ご都合主義っぽさもありますが、感情的なインパクトはかなり大きいものでした。
私が特に刺さったのは、マリーが「私は汚い人間」と自分を責め、ダリルの裏切りと自分の嘘を重ねてしまうところです。守るためについてきた嘘が、結果的にアーサーを危険にさらしたのではないかという自己嫌悪が、静かに彼女を追い詰めていました。
それでもマリーは、「私がいなくなっても、記憶が戻ればみんながいる」と口にし、アーサー個人の幸せを最優先にしようとします。このセリフは、恋が叶うかどうかよりも、彼が孤独から解放される未来を願っている言葉に聞こえました。
四つ葉のクローバーを探す場面で、アーサーはそれがマリーからの贈り物だったと知りますが、まだ記憶は戻りません。それでも「君さえそばにいてくれれば」とも取れる言葉を口にする彼と、「必ず私が見つける、あなたのメイドだから」と応えるマリーのやり取りは、放送情報ページが示すターニングポイントらしさを体現する、静かな約束のシーンだと私は感じました。

アーサーがマリーだけ忘れたのって、やっぱり意味深だよね。

ほんとにゃ。忘れたというより、マリーの想いだけが心に残ってる感じがしたにゃ。

うん、次回は“思い出す”だけじゃなく“選び直す”展開が見られそうだね。続きを見届けよう!
視聴者の反応から読み解く第11話の評価とモヤモヤ
第11話は、お風呂ハプニングとマリーだけを忘れる記憶喪失という、温度差の激しい出来事が詰め込まれた回でした。そのぶんネット上でも「笑った」「しんどい」の両方の声が目立ち、感情の揺れ方も人によってかなり違っていた印象があります。
ここでは、各種感想ブログやまとめサイト、公式ポストなどを追いかけて見えてきた「視聴者の受け止め方」を整理していきます。あなた自身のモヤモヤとも照らし合わせながら読んでみてください。
ラッキースケベとご都合主義?視聴者が笑いながらツッコんだポイント
まず一番賑わっていたのは、やはりお風呂シーンでした。「ロボットなのに風呂入るんかい」「清掃員の仕事が大胆すぎる」といったツッコミ系の感想が、掲示板や匿名コメントで多く見られました。視聴者の“ノリツッコミ”が止まらないタイプのシーンです。
毒→記憶喪失→しかもマリーだけ忘れる、という流れには「そんな便利な毒ある?」という、ご都合主義をからかう声も少なくありませんでした。ただ、多くの視聴者は怒るというより、“ネタとしておいしい展開”くらいの温度で楽しんでいたように見えます。
一方で、ラブコメとしての王道イベントをしっかり踏んでくれたことを評価する意見も目立ちました。「ここまで引っ張ったんだから、このくらいベタでいい」「アンジャッシュみたいな勘違い会話がクセになる」といったポジティブな声です。
私の感覚では、「設定へのツッコミ」と「物語としての納得」はきちんと分けて語られていて、前者はネタ、後者はわりと好意的というバランスでした。公式側も、ストーリーページでラブコメ色をしっかり押し出しているため、視聴者の受け止め方は大きくブレていないように思います。
「楽しいのに少し苦い」――マリーとアーサーの関係性に集まった共感
個人ブログや長文感想では、後半の「マリーだけを忘れる」という展開に焦点を当てた文章が多く見られました。とくに「人間不信モードのアーサーに戻ってしまうのがつらい」という声は、かなり共有されていた印象です。
また、「マリーが自分をダリルと同じだと責めてしまうのがしんどい」「『私がいなくなっても、記憶が戻ればみんながいる』の健気さに胸が痛んだ」といった、マリーの自己否定と決意をセットで語る感想も目立ちました。
こうした感情の深掘りは、あらすじ中心の紹介では見えにくい部分ですが、ファンのあいだではしっかり共有されていました。心理描写の丁寧さを評価する書き手ほど、第11話を作品全体のターニングポイントとして高く見ている印象があります。
私自身も、恋愛としての「キュン」より、関係性の土台が揺さぶられる「ヒヤッ」とした感覚の方が強く残りました。だからこそ、アニメイトタイムズの場面カットを見直すと、マリーの表情の変化がより刺さって見えてくるのだと思います。
SNSで目立った推しポイントと今後への不安・期待の声
SNSでは、ハッシュタグを追うと「お風呂のアンジャッシュ回」と「忘れられたマリー回」の二つの顔が同時に語られているのが印象的でした。短文のポストほどギャグ寄り、長文ほどシリアス寄りになる傾向があります。
推しポイントとして多かったのは、四つ葉のクローバーを大事に持ち続けていたアーサーの描写と、「必ず私が見つける、あなたのメイドだから」と宣言するマリーの台詞です。この二つをセットで引用しているポストも多く、視聴者が“絆の象徴”として受け取っていることがよく分かりました。
一方で、「このまま最終回まで記憶戻らないパターンもありそうで怖い」「ロイの“ちょうどいいじゃないか”発言がフラグに聞こえる」といった、不安混じりの予想も盛んでした。笑いながらも、みんな本気で先を案じている感じです。
公式Xが第11話の場面写真とともに「#忘れられたマリー」のタグを添えていたこともあり、ファンアートや短文ポエム的な投稿も増えていました。私の目には、第11話は“神回”というより「刺さった人が後からじわじわ語りたくなる回」として、SNS上で長く生き続けているように映りました。
『機械じかけのマリー』第11話 感想のまとめと次回への期待
第11話「忘れられたマリー」は、ラブコメ的なお風呂騒動と、マリーだけが忘れられる記憶喪失を一話に詰め込んだ、とても振れ幅の大きい回でした。にぎやかに笑いながら見ていたはずなのに、エンディング後には静かな寂しさがじわっと残る、そんな不思議な後味があります。
ここでは、これまでの考察を一度フラットに整理し、「何が描かれ、どこが心に残ったのか」をまとめたうえで、次回以降どんな物語を期待したいかを、アニメ愛好家として率直に言葉にして締めくくります。
忘れられたのは“存在”か“時間”か――第11話で深まった二人の物語
マリーだけを忘れたアーサーは、かつての人間不信モードに戻ったように見えますが、四つ葉のクローバーを大事に持ち続けていることから、完全なリセットではないとも感じられました。忘れられたのは“人としての価値”ではなく、一緒に積み重ねてきた“時間の輪郭”なのかもしれません。
一方マリーは、「私は汚い人間」と自分を責めながらも、「私がいなくなっても記憶が戻ればみんながいる」と、アーサーの幸せを最優先にしようとします。この自己犠牲ぎりぎりの優しさは、第11話紹介記事の場面カットからも伝わってくる部分でした。
私の考えでは、第11話は“恋の一歩”というより、「記憶がなくても、ここまで来た二人の関係はゼロには戻らない」と示した回です。だからこそ、ここからの一歩は、最初の出会いとは違う“再会の物語”として描かれてほしいと感じました。
次回第12話への期待と、マリーが取り戻そうとしているもの
ラストでマリーは、「本日の業務は終了」と区切りをつけてから、解毒剤を探しに飛び出していきました。メイドとしての任務と、一人の女の子としての想いが、ようやく同じ方向を向いた瞬間だったように思います。
次回以降に期待したいのは、単にアーサーの記憶が戻るかどうかではなく、「記憶がないあいだに、もう一度マリーを好きになるのか」という過程です。もし同じ結末にたどり着くなら、それは“運命だから”ではなく、二人が何度でも選び直した結果として描かれてほしいと私は願っています。
公式サイトや公式Xの次回予告ポストを見る限り、クライマックスへ向けて物語が一気に走り出しそうな雰囲気です。あなたは、記憶を取り戻したアーサーと今のアーサー、どちらの姿により惹かれるのか──その答えも、次回以降で少しずつ見えてくるのかもしれません。
【公式サイト・引用・参照】
◆ポイント◆
- 第11話は笑いと切なさが共存する展開
- マリーの正体バレと自己否定が核心
- アーサーの記憶喪失は再構築の始まり
- 四つ葉のクローバーが絆の象徴に
- 最終章に向けて期待高まるターニング回

第11話の感想を最後まで読んでいただきありがとうございます。
ラブコメとシリアスの境目を攻めるこの作品らしさが本当に光っていましたね。
次回の展開も気になるところです。ぜひSNSであなたの感想もシェアして一緒に語りましょう。


