『機械じかけのマリー』第12話 感想|さよならの先にある“逃げない愛”を考察

『機械じかけのマリー』第12話 感想|さよならの先にある“逃げない愛”を考察 2025年 秋アニメ
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「さよなら」と言うために会いに行く――第12話「さようならマリー」は、その言葉に向かって積み重ねてきた嘘と本音が一気にあふれ出す最終回でした。マリーの決断、アーサーの叫び、そしてノアの静かな覚悟に、見終わったあと胸がざわついた人も多いはずです。

この記事では、『機械じかけのマリー』第12話のあらすじをコンパクトに振り返りつつ、マリーの「逃げない選択」とノアやメイナードが体現した“歪んだ愛”との対比を、アニメ研究家として言語化していきます。ネタバレありの感想・考察に加え、放送後のSNSの反応も踏まえて、この最終回がなぜ心に残るのかを一緒に掘り下げていきましょう。

※この記事は2025年12月24日に更新されました。

この記事を読むとわかること

◆内容◆

  • マリーとアーサーの最終回の展開がわかる
  • ノアやメイナードの心情と対比が理解できる
  • 第12話が描いた「逃げない愛」の意味を考察
  • SNSでの反応や視聴者の感想を把握できる

『機械じかけのマリー』第12話「さようならマリー」あらすじ・感想・考察

第12話「さようならマリー」は、マリーが“さよならを伝えるため”にアーサーの元へ戻る最終回です。解毒剤を探す潜入から、口移しで薬を飲ませるクライマックスまで、これまで積み重ねてきた嘘と本音に決着をつける流れになっています。

ここでは、公式のあらすじや先行カット(アニメイトタイムズ)を踏まえつつ、簡潔に物語の流れとテーマを整理し、「逃げない愛」という観点から感想と考察をまとめます。

第12話「さようならマリー」あらすじ|さよならを伝えるために戻ったマリー

マリーはアーサーの記憶を戻す解毒剤を求め、変装してメイナード邸に潜入します。すぐにノアに正体を見抜かれますが、「本当のことを伝えてさよならする。逃げるのをやめるために来た」と言い切り、アーサーの元へ向かう決意を崩しません。

一方、メイナードの部屋にはアーサーの写真やわら人形が散乱し、彼の異常な執着が明らかになります。メイナードは「解毒剤は売ってなかった」と嘘をついてマリーを絶望させますが、ノアが密かに作っていた解毒剤を差し出し、マリーは希望を取り戻します。

メイナードが「あいつがもっと苦しめばいい」と漏らした瞬間、マリーは蹴りを入れ、箱から飛び出したイザベルも体を張って彼を止めます。ノアは暗殺者との戦いを引き受け、マリー2やロイもそれぞれ戦いに参加。マリーはアーサーのいる裏庭へと走っていきます。

裏庭で再会した二人。アーサーは「薬を飲むと君がいなくなる気がする」と拒みますが、マリーは「あなたは人と向き合おうとしてきた」と背中を押し、口移しで解毒剤を飲ませます。人間であることやお金目当てだった過去を告白しつつ、「それでもそばで見守りたい」と本音を伝えるのでした。

記憶を取り戻したアーサーは「どこへも行くな」「君が必要なんだ」とマリーを引き留め、後継者の証の指輪をメイナードに返上。「愛する人ができた」と宣言し、ラストはマリーのお姫様抱っことキスで幕を閉じます。ファンクラブやマリー2、ロボット研究会の小ネタも挟まれ、作品らしい締めくくりになっていました。

第12話 感想|嘘から始まった主従関係が“逃げない愛”に変わる瞬間

一番心を動かされたのは、マリーの目的が「助けるため」だけでなく、「自分からさよならを言うため」でもあった点です。ロボットのふりをして逃げ続けてきた彼女が、最後に選んだのは、もっとも怖い“別れの対話”でした。この一点だけでも、最終回として十分に意味があると感じました。

口移しのシーンは、単なるサービスではなく、嘘も本音もまるごと飲み込んでもらう象徴的な演出に見えます。人間であること、お金目当てだったこと、それでも今はアーサーを大切に思っていること。その全部をさらけ出したうえで、「それでも一緒にいたい」と言えるようになったマリーの成長が凝縮されていました。

アーサーもまた、感情を隠す側から「君が必要なんだ」と言える側に変わりました。人間嫌いだった彼が、後継者の立場よりもマリーとの関係を選ぶことで、この物語は“立場の物語”から“感情の物語”へとちゃんと着地したように思います。完璧ではない二人だからこそ、ラストで互いを抱きしめ合う姿に温度を感じました。

ノアとメイナードが映す「手放す愛」と「歪んだ執着」

第12話を短くテーマでまとめると、「相手を尊重する愛」と「自分本位な執着」の対比です。ノアは、解毒剤が見つかればマリーと会えなくなると分かっていながら、自分の手でそれを差し出しました。マリーがアーサーを選ぶ未来を受け入れる姿は、報われないからこそ美しい“手放す愛”として描かれています。

対照的にメイナードは、アーサーの写真やわら人形に囲まれ、「もっと苦しめばいい」と言ってしまうほど感情をこじらせています。彼の気持ちは愛情というより、「自分の望む形でいてほしい」という所有欲に近く、その歪さがマリーやイザベルの行動によって否定される構図になっていました。

さらに、ノアが暗殺業界から除外されかけているという不穏な余韻や、マリー2の「びえん」という小さなひと言も、物語が“ここで完全には終わっていない”ことを感じさせます。最終回で全部を片付けず、登場人物それぞれの物語がまだ続いていくように見せた点が、『機械じかけのマリー』らしいラストだと受け取りました。

マリーの「さよならを言うために行く」って、すごく印象的だったね。覚悟を決めた表情がもう切なすぎた。

にゃん子
にゃん子

あれは泣けたにゃ…。でもノアの優しさも沁みたにゃ。報われないけど、ちゃんと愛してた感じがするにゃ。

ほんとだね。ノアの“手放す愛”とマリーの“逃げない愛”が重なって、ラストがより深く感じた。次の展開があったらノアにも救いがほしいな。

『機械じかけのマリー』第12話へのSNS反応まとめ

第12話は、物語としてきれいに締めつつも「ノアのその後」「メイナードの執着」「マリー2の感情」など、あえて余白を残した最終回でした。ここからは、放送後のSNSや掲示板で見られた声の“傾向”を、アカウント名を伏せたかたちで整理していきます。

どこに共感が集まり、どこで賛否が分かれたのかを押さえておくと、自分の感じたモヤモヤや好きポイントの位置づけが少しクリアになるはずです。外側の声を一度俯瞰してから見直すと、第12話の印象が変わってくるかもしれません。

好評だったポイント|ノアの選択とマリーの覚悟に集まった共感

まず圧倒的に多かったのが、「ノアが一番つらいのに、一番大人だった」という反応です。解毒剤が見つかってほしくない本音と、それでも自分の手で差し出す行動が、視聴者には“報われないけれど美しい選択”として映ったようです。

同時に、「さよならを言うために行く」と腹を括ったマリーの姿勢にも共感が集まりました。逃げるのをやめて、自分の口で本当のことを伝えに行く。その行動に、ただのラブコメではない芯の強さを見出す感想が多かったのが印象的です。マリーとノアは、恋の勝ち負けではなく、「どう愛したか」で語られていたのが興味深いところでした。

賛否・議論された点|メイナードの執着とノアのその後という“未解決”

一方で、メイナードについては「アーサーへの感情をもっと掘り下げてほしかった」「あの部屋の演出が強烈すぎる」と、好悪が分かれる声も目立ちました。写真とわら人形だらけの空間に、“愛情なのか、ただの依存なのか”という議論が生まれていたのが印象的です。

また、ノアが暗殺業界から消されかけているという情報も、「続編フラグなのか、ただのブラックユーモアなのか」と解釈が割れていました。救われてほしいという願いと、物語的な“ほろ苦さ”を評価する声が、ちょうど半々くらいの温度感に見えました。ここは、見る側の価値観がそのまま反映されるポイントだと感じます。

マリー2やファンクラブの描写が残した余韻

サブキャラでは、マリー2の「びえん」というひと言が特に話題になりました。ギャグのようでありながら、どこか本物の寂しさがにじんでいて、「一番SFしていたのはここだった」と語るファンも少なくありませんでした。

ファンクラブやロボット研究会のドタバタも、「ちゃんといつものノリで終わってくれて安心した」という評価が多かったです。シリアスになりすぎず、最後までこの作品らしい“温度”を保ってくれたことで、見終わった後の気持ちもほどよく軽くなった、と私も感じました。涙と笑いのバランスが、この作品の魅力をよく表していた最終回だったと思います。

機械じかけのマリー 第12話 感想まとめ|さよならの先で続いていく物語

第12話「さようならマリー」は、マリーとアーサーが結ばれるだけの最終回ではなく、「逃げない」と決めた人たちの物語でした。別れを覚悟して会いに行くマリーと、その背中を押すノア、執着から抜け出せないメイナード。それぞれの選択が交差することで、物語は静かにクライマックスを迎えます。

視聴後にふと胸の奥がじんわりするのは、すべてがきれいに解決したからではなく、ノアやマリー2のように“まだ続いていく人生”がちゃんと残されているからだと感じました。さよならの後も、彼らはそれぞれの場所で生きていく。その想像こそが、この最終回の余韻なのだと思います。

最終回の余韻と、これから『機械じかけのマリー』を観る人へのメッセージ

あらためて振り返ると、『機械じかけのマリー』は嘘やごまかしから始まった関係が、少しずつ本音に近づいていく物語でした。第12話でマリーが選んだのは、「バレたら終わり」ではなく、「バレても、自分の言葉で向き合う」道です。その姿に、自分の人生のどこかで逃げているものを思い出した人もいるかもしれません。

これから作品を観る人には、「ラブコメだから」と身構えず、キャラクターたちの選択に注目してほしいと思います。ノアのように手放す側の痛みも、メイナードのようにこじらせてしまう危うさも、どこか人間らしくて目をそらしにくい。だからこそ、ラストでマリーとアーサーが互いを選び合う瞬間が、小さくても確かな光に見えてきます。

そして最終話を見終えたあと、自分だったらどのキャラクターに近い選び方をするだろう、と一度だけ想像してみてください。その問いかけこそが、アニメを見終わったあとも続いていく“あなた自身の物語”の始まりなのかもしれません。

【公式サイト・引用・参照】

この記事のまとめ

◆ポイント◆

  • 第12話はマリーが「逃げない愛」を選ぶ物語
  • ノアの報われない優しさが共感を集めた
  • メイナードは執着の象徴として描かれた
  • マリー2やノアの余白が余韻を残す
  • 最終回は“続いていく物語”として締めくくり

最後まで読んでいただきありがとうございます。
第12話は「別れ」と「選択」の物語でしたね。
ノアやマリー2など、残されたキャラの余韻も深く印象に残りました。
これからも『機械じかけのマリー』のように、心に響くアニメを一緒に語っていきましょう。SNSでの感想シェアもぜひお願いします。

アニメ愛好家ユウ

アニメオタク歴25年、アニメ研究歴20年(メディア学専攻)のアニメ研究ライター。
アニメ年間150本以上を視聴し、イベントやコミュニティでも発信。
日本のアニメ・マンガ・ゲームを世界遺産級カルチャーへ。
そんな想いで『アニメのミカタ』を運営中。

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