氷の城壁 第8話 感想|美姫の高校デビューが切ない…「本当の自分」で嫌われたい覚悟

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初見で見終わった瞬間、「美姫、ずっと頑張りすぎてたんだな……」としばらく黙りました。第8話「等し並み」は、明るくて人懐っこい美姫の奥にあった不安と、高校デビューの痛みをかなり丁寧に見せてくる回です。

結論から言うと、第8話は美姫の“可愛い自分”という仮面が剥がれ、「本当の自分で嫌われたい」と言えるまでの成長回でした。小雪の言葉、陽太の受け止め方、湊の静かな信頼まで含めて、4人の関係が一段深くなっています。

※この記事は2026年5月22日に更新されました

氷の城壁 第8話は美姫回|高校デビューの裏にあった怖さ

中学時代、小雪の下駄箱にいたずらされているのを見た美姫は、熱川しかいないと激怒してつかみかかります。ここだけ聞くと「美姫、勢いありすぎ」と笑える話にも見えます。でも違うんですよ。美姫は大事な友達を守ろうとしただけでした。

ただ、その結果として美姫は突き飛ばされ、腕を怪我する。さらに、自分の気持ちを伝えることが苦痛になっていく。人を守るために怒ったのに、周囲には「女の子に殴りかかった」「ガラスを割った」みたいに切り取られて広がる。ぶっちゃけ、これが一番しんどい。

本人の中では正義感だったものが、外側からは乱暴さに見える。学生時代の噂って、文脈を全部削って結果だけを怪物にするんですよね。だから美姫は高校入学の時に「人を傷つけない」と胸に誓う。可愛い子がいると言われ、怖いくらいうまくいく。でもその成功が、逆に美姫を閉じ込めていきます。

ゴリラ扱いからも、女の子扱いからも離れたい。かっこいいと言われたい。でも嫌われたくない。美姫の高校デビューは、ただの猫かぶりじゃありません。人が好きだからこそ、人に合わせすぎた子の生存戦略でした。

そしてこの“うまくいきすぎた仮面”が、次の苦しさを連れてくるんです。

美姫の「本当の自分で嫌われたい」が刺さる理由

美姫は他の女子と好きなものが違いすぎる。陽太には「バイクを買えそう」と話せるし、毎日一緒にいてくれたらと思える。そこには、作った自分ではなく、かなり素の美姫が出ていました。

一方で、クラスメイトから距離を取られている気配を感じると、美姫は一気に不安になります。前例があるからこそ、確信してしまうんです。「また失敗したのか」「言い方がきつかったのか」と。ここ、見ていて胃がキュッとなりました。

そんな美姫に、小雪がかなり鋭い言葉を投げます。「一緒にいて苦しいのに、その人の一部にしがみついたら自分を消費するだけ」。優しい慰めじゃないです。ちゃんと痛い。でも、美姫には必要な言葉でした。

小雪は、自分が自分でいられない場所にいるつらさを知っている子です。だから美姫に「無理しないで」と言える。ここでの小雪、冷たい城壁の中にいた子が、誰かのために扉を開けている感じがして尊いんですよ。

美姫が「嫌われるのも仲良くなるのも本当の自分がいい」と言えたのは、かなり大きいです。可愛い自分で好かれるより、本当の自分で向き合いたい。座るときに足を開く癖まで打ち明けるところ、笑えるのに泣ける。ああ、美姫はようやく呼吸したかったんだなと感じました。

でも、美姫を救ったのは小雪の言葉だけではありません。陽太と湊、それぞれの優しさもかなり効いていました。

陽太と湊の優しさが違う|美姫を救った2つの距離感

陽太の「ちゃんと知っていて一緒にいたい」は、控えめに言って最高でした。美姫が高校から頑張ってきたことも、自分がわからなくなっていることも、全部見たうえで一緒にいたいと言う。これ、かなり強い受け止め方です。

陽太は美姫の“明るい部分”だけを好きなわけじゃない。バイクの話でテンションが合うところも、かっこよくありたいところも、可愛いと言われて困るところも、ちゃんと見ている。だから美姫にとって陽太は、作った自分を脱いでも大丈夫かもしれない相手になっていくんです。

一方で湊は、また違う優しさを見せます。美姫のクラスメイトに話しかけて、いろいろ聞いている。しかも「美姫が人の陰口をたたくわけがない」と信じている。湊って言葉は少ないけど、こういう時にちゃんと動くんですよね。ぶっきらぼうなのに筋が通っている男、私は弱いです(笑)。

陽太は正面から受け止める。湊は裏で状況を整える。どちらも美姫に必要な優しさでした。

クラスメイトとの話し合いも良かったです。美姫が高校デビューしていたこと、自分のことをよく思っていないのではと謝ること。そして相手側も「制限をかけさせたのは私たちでは」と返す。少しきれいにまとまりすぎた感はあります。でも、この回が描きたいのは人間関係の泥沼ではなく、美姫が本当の自分で一歩踏み出す瞬間です。

だからこそ、次の日に美姫が金髪にしてくる場面が効きます。あれはただのイメチェンじゃない。自分を隠すための変化ではなく、自分を楽しむための変化です。小雪が「本人が楽しそうなのを見るとよかったね」と思うのも、すごく自然でした。

ただ、4人の関係はここで穏やかに終わりません。最後に、次の火種がちゃんと置かれます。

第9話も見るべき?小雪と湊の気まずさが次の火種になる

美姫の問題が一段落し、湊がもらってきた去年のテストを出して、4人で勉強する流れになります。ここだけ見ると平和です。金髪になった美姫も楽しそうだし、陽太もいるし、小雪も少し穏やかになっている。

でも湊が小雪を意識して席を外し、小雪もついていく。この何気ない動きで、一気に空気が変わります。互いに気まずい。まだ恋愛として言葉になっていないのに、もう普通ではいられない。こういう“何も起きてないのに関係だけ変わっている”瞬間、『氷の城壁』は本当にうまいです。

第8話は、美姫が本当の自分を少し取り戻す回でした。同時に、小雪と湊の距離が静かに揺れ始める回でもあります。友情の問題がほどけたと思ったら、今度は恋愛の不器用さが顔を出す。まったく、青春って面倒くさい。だから見ちゃうんですけどね。

第9話も見るべきです。美姫が自分らしくなったことで、陽太との距離はどう変わるのか。湊と小雪の気まずさは、勘違いなのか、それとももう始まっている感情なのか。第8話は派手ではないけれど、後から振り返ると「あそこから4人の関係が変わった」と言いたくなる転換回でした。

【公式サイト・引用・参照】

ここまで読んでくれてありがとう!
氷の城壁 第8話は、美姫の高校デビューと本当の自分が刺さる回でしたね。

にゃん子
にゃん子

美姫が無理して可愛い自分を演じてたの、切なすぎるにゃ。
陽太と湊の優しさもズルいにゃ!

第9話では小雪と湊の気まずさにも注目ですね。
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アニメ愛好家ユウ

アニメオタク歴25年、アニメ研究歴20年(メディア学専攻)のアニメ研究ライター。
アニメ年間150本以上を視聴し、イベントやコミュニティでも発信。
日本のアニメ・マンガ・ゲームを世界遺産級カルチャーへ。
そんな想いで『アニメのミカタ』を運営中。

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