颯太とこはるがようやく恋人になった第5話「“両想い”はじめました」。初デートの初々しさがたまらない一方、須藤凛香の胸中には思わぬ苦さが広がります。両片思いが終わっても、恋の難しさは終わらない。そこが今回の面白さでした。
私は、甘い二人を眺めるだけの回にしなかった点を評価したいです。かき氷デートの可愛さと、相談に乗る凛香の立場が同じ回にあるからこそ、笑いと気まずさが交互に押し寄せます。
※この記事は2026年11月4日に更新されました
今回のポイント
- 颯太とこはる、恋人になって初めてのデート
- 距離を縮めたい颯太と、素直になりたいこはるの不器用さ
- 凛香の恋心に生まれた切なさ
- 壁ドンなど恋愛指南の空回り
初デートは「付き合えたら終わり」ではないと教えてくれる
これまで二人は「相手が好き」という答えを胸にしまい、互いに誤解を重ねてきました。第4話を経て気持ちを伝え合い、今度は恋人として向き合う番。第5話ではデートという分かりやすいイベントを使いながら、新しいぎこちなさを見せてくれます。
かき氷デートという夏らしい題材がいいですね。スイーツと写真は本作の出発点でもあります。初めてこはるの本当の姿を知ったカフェから、二人で過ごす時間そのものを楽しむ段階へ。恋の進展が作品らしい小道具と自然につながっています。
恋人になった途端に急に手慣れたカップルにならないところが私は好きです。これまでの颯太とこはるは、ちょっとした言動にも慎重でした。だからこの回の甘さには、器用に距離を詰める恋愛作品とは違う説得力があります。
颯太の空回りは、優しさの裏返しでもある
初デートを迎えても、颯太は二人の距離が思うように縮まらないことを気にしています。好意が通じ合っているのだから何でも簡単になる、という話ではないのが実に高校生らしい。
颯太の魅力は、こはるを一方的に引っ張る強引さではなく、相手の気持ちに気を配れることです。ただ、その優しさが「どうすれば恋人らしいのか」という正解探しに変わると、途端にぎこちなくなる。ラブコメとしては、この真面目さが絶好の笑いどころですね。
恋愛のマニュアルを覚えたところで、目の前のこはるが喜ぶとは限りません。写真を撮るときは相手の表情をよく見ている颯太が、恋人としては空回りする。この対比が面白い。自分の得意なことでは自然体なのに、好きな子の前では途端に不器用になるんですよ。
こはるの「塩」が消えていく過程が可愛い
こはるは誰にでも冷たいわけではなく、周囲への緊張から表情を出すのが苦手な少女です。初期の「塩対応」を知っているからこそ、颯太の前で見せる変化には意味があります。
二人の距離が縮まった今、表情や態度から甘さがあふれるほど、「塩対応の佐藤さん」というタイトルが冗談めいてくる。けれど私は、それでいいと思います。最初に見えていたのは他人から貼られたラベルであり、颯太が好きになったのはその奥にいるこはるなのですから。
第5話では恋人同士の距離をめぐる想像が先走るコミカルな場面もあり、こはるの初々しさが際立ちます。伊藤美来さんが演じる、張り詰めた雰囲気から可愛らしさへ切り替わるヒロイン像も作品の持ち味。甘いだけでなく照れや戸惑いを感じさせるのがいいですね。
初期の二人の距離感は、公式メインPVでも振り返れます。恋人になった第5話との変化を見比べるのも楽しいですね。
須藤凛香は恋愛相談役のままではいられない
今回、いちばん気になったのは凛香です。恋愛について颯太に助言する立場でありながら、自分自身の想いにも気づき、心が揺れる。ここには二人の初デートとは別の重さがあります。
凛香は普段、こはるや友人の恋愛相談にズバズバ答えるしっかり者。しかし本人には恋愛経験がなく、少女漫画やドラマに夢中という一面もあります。知識としての恋と、実際に誰かを好きになることの落差が、ここにきて容赦なく突きつけられました。
こはるの幸せを願う気持ちと、自分の胸の内が食い違うのはしんどい。しかも相手は身近な二人です。颯太とこはるのピュアな恋愛を楽しみたい半面、私はどうしても凛香の心情に目が向きました。彼女を単なる恋の障害物として処理してほしくないですね。
富田美憂さんが担当する凛香は、強気で大人びた態度と年相応の脆さの組み合わせが魅力です。ラブコメの賑やかし役だと思っていた人物が、いちばん切ない立場に置かれる。この変化で作品の温度が少し変わったと感じます。
壁ドンのような「恋愛の正解」を持ち込む面白さと危うさ
凛香の恋愛指南をきっかけに、いわゆる壁ドンのような分かりやすい恋愛の型も話題になる第5話。少女漫画の定番が現実でそのまま通用するのかという、ベタだけれど笑える題材です。
型どおりの大胆な仕草をするより、ぎこちなくても相手の様子に気づくほうが、この二人らしい。壁ドンという言葉の強さに対し、颯太の不器用さが効いています。
SNS・視聴者の反応|壁ドンへのツッコミと凛香への同情
第5話の公開実況では、壁ドンを現実でやることへのツッコミが複数見られました。少女漫画ではおなじみの仕草でも、いざ高校生が試すと妙にぎこちない。そんな場面の可笑しさが短い投稿からも伝わってきます。
こはるを可愛いと評する投稿がある一方、凛香について「可哀想過ぎ」と反応する視聴者もいました。確認できたのは個々の投稿であって、作品全体への多数派の評価ではありません。第5話放送時の公開反応には、甘さと切なさの両方が表れています。
私は凛香を気に掛ける反応に共感します。二人がようやく恋人になった喜びと、別の少女の叶わない恋心は、どちらも本物。その二つを同じ回で見せてくれるから、単なる甘い恋愛劇では終わらないんです。
両想いの先にある恋愛を描き始めた今回。こはるの甘さはもちろん魅力ですが、凛香の切なさまで含めて、タイトルの「甘い」が少し複雑に聞こえてきました。二人がどう愛情を育て、周囲の気持ちとどう向き合うのか、次の展開が気になります。
【公式サイト・引用・参照】

第5話の感想を読んでくれてありがとうございます。二人の初デート、甘さが増してきましたね。

でも凛香の気持ちを考えると、ただ喜んでいられないにゃ。

恋人になってからの不器用さも本作の魅力です。SNSでシェアするときは、印象に残った場面への感想もぜひ添えてください。

