ガンダム ジークアクス第10話は、ギレン・ザビの死とともにジオン公国の命運が大きく動いた回でした。ニャアンがゼクノヴァを発動し、ア・バオア・クーが消滅。物語は戦争の終結どころか、さらなる破壊の連鎖へと突入します。
この記事では、第10話で描かれた“事実”を時系列で整理しつつ、ギレン死亡の背景、ゼクノヴァ発動の意味、そしてア・バオア・クー消滅のインパクトを徹底解説。さらに、逆襲のシャアやZガンダムと本作の思想的違いも考察します。
「10話で何が起きた?なぜ?どうしてこうなった?」――シリーズファンも納得できる情報整理と考察でお届けします。
※この記事は2025年6月11日に更新されました。
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◆内容◆
- ガンダム ジークアクス10話のストーリーや感想、考察
- ギレン・ザビ粛清による政変の全貌
- ゼクノヴァとイオマグヌッソの関係性
- マチュとニャアンの思想的対立
- 「ニュータイプ」の再定義と限界描写
- SNSで話題の衝撃描写とファン考察
ガンダム ジークアクス 10話 感想・ストーリー解説
『ガンダム ジークアクス』第10話は、シリーズの価値観を根底から揺るがす戦局の崩壊と思想の衝突が描かれた、まさに“激震回”でした。ギレン・ザビの死により旧ジオン体制は崩壊し、キシリアによる全権掌握。そして彼女が発動した巨大兵器イオマグヌッソが空間を消滅させるゼクノヴァを引き起こし、ア・バオア・クー要塞までもが一瞬で霧散します。
その最中、かつて仲間だったマチュとニャアンが「決して交わらない存在」へと分かたれ、それぞれの思想が鮮烈に浮き彫りとなります。ニュータイプという希望に潜む限界と、戦争という狂気に飲まれていく人間の業──本記事では、第10話のストーリー・演出・思想構造を総合的に読み解きます。
ギレン・ザビ毒殺!政変と戦局の劇的転換
物語の冒頭、ジオン最高司令官・ギレン・ザビは、妹キシリアの手によって毒殺されます。ゼクノヴァ兵器の起動と同時にブリッジが封鎖され、“粛清”という名の暗殺が実行されたのです。この瞬間、ジオン内部の権力構造は一夜にして崩壊し、長きに渡って支えられていたザビ家の均衡が破られました。
戦局の主導権は完全にキシリアの手に渡り、これにより彼女の野望である「新時代の創造」が現実味を帯びていきます。妹による兄の粛清という構図は、単なる政変以上に、ジオンが「思想を失った軍事国家」へと変質する引き金でもありました。
この政変を通じて問われるのは、「誰が戦争を動かすのか」というテーマです。力がある者よりも、それを迷いなく“行使できる者”が支配を握る──その残酷な現実が、キシリアの行動によって示されました。これは戦場のリアリズムに貫かれた本作の象徴的瞬間とも言えるでしょう。
ギレン・ザビとは?
ジオン公国の最高司令官であり、独裁者的な思想を持つ軍人政治家。冷酷かつ合理主義を信条とし、連邦に対抗するために戦力強化を推し進めた。妹キシリアとの確執は旧作から続く因縁であり、本作ではついに“身内による粛清”という形でその命運を終える。
ゼクノヴァ発動!イオマグヌッソとは何か?
第10話で突如として発動された兵器「イオマグヌッソ」は、空間そのものを消し去る“ゼクノヴァ現象”を引き起こす存在として描かれました。過去回(第8話)でキシリアが語った「そなたには今一度ゼクノヴァを起こしてもらう」という台詞の意味が、ついに明らかになります。
この回では、キシリアが座標と命令を下し、ニャアンが搭乗する機体「ジフレド」により発動手順が遂行されます。ゼクノヴァが起動した瞬間、ア・バオア・クー要塞は何の余地もなく一瞬で“無”に帰したのです。
まさかの巨大要塞ア・バオア・クー転移と消滅はとても印象に残りました。
以下に、劇中で語られたゼクノヴァとイオマグヌッソの関係を整理します。
- イオマグヌッソはゼクノヴァ現象を引き起こす巨大兵器の名称。
- ゼクノヴァとは、空間そのものを圧縮・消滅させる現象。艦隊や要塞が一瞬で消える。
- “悪魔の兵器”と恐れられ、戦場を物理的に無に還す象徴として登場。
このようにイオマグヌッソとゼクノヴァは、「戦術」ではなく「文明の抹消」を可能にする圧倒的な兵器として描かれています。人の存在すら意識から消し去るような力を、人間が操作できるという事実──それ自体が、この作品の恐ろしさを物語っています。
マチュとニャアンの“対比”が浮き彫りにするニュータイプの限界
イオマグヌッソが発動し、ア・バオア・クーが一瞬で消滅する──その凄惨な光景を前に、マチュは震える声で叫びます。「なんでこんな恐ろしい兵器を誰使ったんだ」。この問いは、ただの恐怖ではなく、“人間の倫理”への叫びであり、戦争の果てに立たされた少女の心からの拒絶でした。その使った人間がニャアンとも知らず。
一方、同じ場面でニャアンも強烈な反応を示します。「気持ちが悪い……」とつぶやき、精神的な拒絶を示しながらも任務を遂行する──その姿は、共鳴しすぎるがゆえに“壊れ始めているニュータイプ”を象徴しています。また、イオマグヌッソを起動「シュウジに合える」と信じてやまない彼女の姿はどことなく切なく狂信的でもあります。
このように、マチュは感情を叫びに変え、ニャアンは感情を飲み込むという対照的な姿勢をとっており、それぞれの行動はこの後の物語の方向性を大きく分けるポイントとなります。
そしてラスト、ジフレドを前にジークアクスで駆けつけたマチュは、その操縦者が誰であるかを知りません。しかし、視聴者には分かっている──そこにいるのは、かつての仲間、ニャアンなのです。かつて同じ痛みを共有していた2人が、今や完全に交差しない存在になったことが、無言の演出で強く印象づけられました。
思想なき戦争?──アムロとシャアに重なる“空白の対立”
マチュとニャアンの対立構造は、『逆襲のシャア』におけるアムロとシャアの対比を彷彿とさせます。アムロは人類の未来に希望を託し、シャアは粛清による進化を目指す──理想と破壊という、相反する“信念の力”がぶつかる構図でした。さらに『Zガンダム』でも、カミーユとシロッコが“生命への感受性”と“力による支配”をめぐって対立していました。
第10話のマチュとニャアンもまた、共通の過去と能力を持ちながらも思想を共有できない存在として描かれます。マチュは人々の意志を怒りとして受け止め、叫ぶ。ニャアンはそれを痛覚として受けながらも任務を続行する。どちらも戦場で“感じすぎる者”でありながら、反応は真逆──それがこの“空白の対立”の核心です。
まだ信念すら持てない若者たちが、ただ「巻き込まれる力」として使われていく。その姿にこそ、本作のダークなメッセージが宿っています。ニュータイプとは、本当に希望の象徴なのか──ジークアクスはその問いを、視聴者の胸に深く突き刺してくるのです。
逆襲のシャアとは?
1988年に公開されたガンダムシリーズの劇場版作品。ニュータイプであるアムロとシャアが、人類の未来を巡り最終決戦を繰り広げる。思想・理想・感情が複雑に交差する構成は、以後のシリーズに多大な影響を与えた。ジークアクスは本作の精神的系譜を継ぐ構造が見られる。

ギレン暗殺って、シリーズ史でもトップレベルの衝撃展開だったよね…。

ニャアンも変わりすぎたにゃ…。マチュとの距離、もう戻れないにゃよ…。

ここから完全に対立構図…でも、まだ希望は残ってる気がするんだ。
衝撃シーン解説|ニャアンの“暴走”は正義か悪か
『ガンダム ジークアクス』第10話の中でも、最も衝撃を与えたのはニャアンの“変質”とも呼べる行動でした。彼女は、ゼクノヴァによる空間消去の影響をニュータイプとして強烈に受信し、精神的に崩壊寸前の状態に陥ります。それでも行動を止められない──その姿は、戦士ではなく、兵器に組み込まれた少女の末路を描いているかのようでした。
ここでは、彼女の行動と心理の乖離を軸に、戦争が個人の“意志”をどう侵食するかを考察していきます。
イオマグヌッソ発動による精神的限界と破壊の連鎖
イオマグヌッソが発動し、ジオンの主力艦隊が空間ごと消滅する瞬間、マチュは激しい拒絶反応を示します。「なんでこんな恐ろしい兵器を……!」という彼女の叫びは、視聴者の心情そのものです。そしてこの感情の発露が、彼女が“まだ人間である”証とも言えます。
一方で、ニャアンはその同じ瞬間、「気持ちが悪い……」と吐き気を訴えながらも作業を続けます。彼女は“受け取りすぎている”ニュータイプでありながら、戦争のシステムに組み込まれた歯車として機能してしまっている。彼女の心のブレーキは、この瞬間に完全に壊れてしまったように見えます。
ディアブロ=悪魔としての“確信犯”ニャアン
ニャアンは、この一話の中で複数の重大な破壊行動を取ります。それは衝動ではなく命令に従ったと同時にゼクノヴァの果てに姿を消したシュウジに会いたいという心理の結果であり、本人の意識のなかでは“正しいこと”として処理されている点に戦慄を覚えます。さらにその裏には、ゼクノヴァを起こせば「シュウジにまた会える」という台詞がすべてを物語っているでしょう。
結果、多くの人命が奪われる結果となりました。
彼女の行動と、それに伴う心理描写を以下の表で整理します。
シーン | 行動内容 | 心理描写・セリフ |
---|---|---|
ゼクノヴァ発動 | ア・バオア・クーを空間ごと消滅 | 「気持ちが悪い……」と吐き気を訴える |
ビグ・ザム撃墜 | 味方艦隊を破壊 | 感情よりも目的優先 |
レオ博士殺害 | 非武装の民間人を殺害 | 「これでいいんだよね、シュウジ」と自己暗示 |
このように、ニャアンの破壊行動は“感情と目的”がすれ違った確信犯的所業であり、それこそが彼女を“ディアブロ=悪魔”と呼ばせるに足る理由です。彼女は、キシリアの命令を遂行する「道具」として、自らの意志を凍結させてしまったように見えます。さらに彼女はゼクノヴァを発生させれば「シュウジにまた会える」とも言及。まさに自分やキシリアのために動くディアブロ(悪魔)と言えるのではないでしょうか?その姿は、8話ミゲルの言ったまさに「ディアブロ(悪魔)」そのものの姿とも言えます。
物語は次なる地獄へ──キシリアの渡した座標は、まだ“あと2カ所”残っているのです。
マチュとシャリアの対話に見える“新たな希望”
ギレン暗殺、ゼクノヴァ発動、ニャアンの暴走──闇が支配するような展開が続いた第10話の中で、ひときわ静かに、しかし強く輝いたシーンがありました。それが、マチュとシャリア・ブルの対話です。戦いの中で命を救われたシャリアが、初めて“言葉”で過去を語るこの場面は、本作が投げかけるテーマ──「ニュータイプとは何か」に対する一つの応答でもありました。
暴力の連鎖に疲れ果てた心と、それでも信じようとする意志。この出会いは、荒廃の中に差し込む希望の光でした。
シャリア・ブルの過去と精神的解放の対比構造
シャリアは過去に木星圏での兵リウム3採取任務に従事し、自分の無力さに気が付きます。マチュに対するその告白は、ニュータイプという存在に潜む“影の側面”を明確に浮き彫りにしました。
破壊の連鎖の中で、わずかでも“言葉”が通じた瞬間──それこそが、ジークアクスが提示するもうひとつの戦いの形です。
マチュと「破壊の先に救い」を信じるニャアン
マチュとニャアン、共に「シュウジを救いたい」という目的を持ちながらも、そこに至る道筋はあまりにも対照的です。マチュは暴力の連鎖を断ち切りたいと願い、人の意志と向き合う道を選ぼうとしています。それは、シャリアとの対話を通じて得た“希望の再構築”でもあります。
一方ニャアンは、すでに「破壊してもシュウジに会いたい」という極端な結論にたどり着いており、自らの手で世界を壊す覚悟を持っています。彼女にとっての救いは「祈り」ではなく、「代償」なのです。
この思想のねじれと分岐こそが、ジークアクスという作品が描く“ニュータイプの再定義”に他なりません。選ぶ言葉も選ぶ武器も違う2人が、最終的にどのような決断に至るのか──それは視聴者にとって最も注視すべき対立軸と言えるでしょう。
SNS・ネットの反応まとめ|ファンの驚きと考察熱
『ガンダム ジークアクス』第10話は、ギレンの粛清、ゼクノヴァの発動、ニャアンの暴走という衝撃の連続によって、SNSや考察系ブログ、配信コメント欄が騒然となりました。ただの展開の加速ではなく、“物語の価値観が反転した”と感じさせるほどのインパクトがあったからです。
視聴者の驚きと考察熱を集めた主な反応を、以下に整理します。
- 「ギレンが妹に殺されるとは」:想定外の展開に驚愕。ザビ家の内紛が早すぎるという声が多数。
- 「これ正史じゃなくて別ルートだよね」:キシリア主導の展開により、従来の世界線と明確に分岐した印象を受けたという意見が増加。
- 「ニャアンがラスボス感ある」:かつての仲間が破壊者になる展開に、驚きと不安、そして興奮が交錯。
- 「ギレンの死で“世界”が終わって、ニャアンで“物語”が終わった気がした」:印象的なコメントとして多くの共有・引用が見られた。
- 「マチュVSニャアンの最終決戦来る?」:次回以降の展開に向けて、考察・予想投稿が爆発的に増加。
このように、本作が投げかけた“価値観の破壊”と“思想の衝突”が、ファンの心を大きく動かしたことが分かります。ジークアクスは今、単なる宇宙戦争アニメの枠を超え、“哲学の戦場”へと突入しているのです。
SF的考察:ゼクノヴァの正体
ゼクノヴァが発動した瞬間、重力異常や光の収束を経てア・バオア・クーが“空間ごと消失”する描写は、単なる兵器以上の恐怖を示していました。これは局所的なブラックホール生成、あるいは次元断裂といったSF的現象を彷彿とさせ、もはや“文明を消す装置”と呼ぶにふさわしい存在です。
これは単なる空間転移(ワープ)だけではなく、もはや時空や次元を超越した現象と言えるでしょう。サイコミュの共鳴なのか”向こう側のニュータイプの影響なのかは現在不明ですが、シャロンの薔薇との関連を考えれば正史ガンダム世界線との関連は切っても切れないものとなりました。
ガンダム ジークアクス10話 感想・考察まとめ
第10話は、『ジークアクス』という物語が“転換点”を越えたことを明確に示す回でした。ギレンの粛清、ゼクノヴァの発動、そしてニャアンの精神的崩壊は、世界とキャラクターの価値観を根本から揺さぶります。マチュとニャアンの対比は、「ニュータイプとは何か」というテーマを、これまでにない濃度で描き出し、視聴者に深い問いを投げかけました。
ここから物語は、“力”と“意志”の衝突を超えた思想の対決へと突入していきます。希望か、破壊か──あなたはどちらを信じますか?
◆ポイント◆
- ギレン・ザビがキシリアにより毒殺される
- ゼクノヴァ発動でア・バオア・クーが消滅
- イオマグヌッソは空間を抹消する兵器
- マチュとニャアンの思想的対比が鮮明に
- ニャアンの暴走が確信犯的に描かれる
- ニュータイプの希望と限界が浮き彫りに
- ネットでは「別ルート突入」の声が多数
印象的な“そなたには今一度ゼクノヴァを起こしてもらう”──この伏線がついに回収される第10話。
その裏で浮かび上がるのは、かつて仲間だったマチュとニャアンの決定的な思想分岐。
『ガンダム ジークアクス』第10話は、“逆襲のシャア”のアムロとシャア、“Zガンダム”のカミーユとシロッコを彷彿とさせる構図を描き出します。
信じる意志と破壊の信仰──その衝突が、物語を次のフェーズへと導きます。
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ここまで読んでいただきありがとうございます!
第10話は物語の核心が一気に動く回でしたね。
特にイオマグヌッソとゼクノヴァの描写は鳥肌モノでした。
マチュとニャアン、2人の行動と感情の違いが鮮烈で、逆シャアを彷彿とさせました。
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