王子の肋骨を二本折った女性へ、ジェフリーが返した言葉は逮捕でも追及でもなく「俺の実家に来ないか」。いや、この大男は誠実さで殴ってくるタイプでしたか(笑)。
第4話「私のことを捕まえますか?」は、覆面男の正体が第二王子セドリックだと判明し、ビクトリアの素性にも疑いが向けられた回です。それでもジェフリーは、彼女の過去ではなく、ノンナを守った現在の行動を信じました。
※この記事は2026年7月29日に更新されました
手札が多めのビクトリア4話の感想:秘密よりノンナとの暮らしを選んだ決意が尊い
夜会の襲撃者を倒して以来、ビクトリアは再び正体が露見する可能性を考え、いつでも逃げられるよう警戒していました。その変化を、ノンナは幼いながら敏感に感じ取ります。
ビクトリアが選んだのは、危険を一人で抱えてノンナを置き去りにすることではありません。自分には危険な人物と関わる過去があると打ち明け、今後は二人で話し合いながら暮らすと約束しました。
工作員クロエだった頃なら、守る相手に事情を知らせず、自分だけで処理したはずです。今回はノンナを庇護するだけの子どもではなく、人生を共にする家族として扱いました。
もっとも、そこで高い塀を越える訓練を教え始めるのがビクトリア流です。「可愛い子は強い方がいい」という発想は物騒ですが、小さな少女へ生き残る力を渡す優しさが実に彼女らしい(笑)。
覆面の男の正体は誰?セドリックがビクトリアを試した理由
覆面姿でビクトリアへ近づいた男の正体は、アシュベリー王国の第二王子セドリックです。
セドリックは夜会の襲撃者を倒した女性に関心を持ち、ビクトリアの正体と実力を確かめるため、お忍びで接触しました。彼自身は会話を望んでおり、暗殺する意図はありません。
しかし、顔を隠して尾行し、ナイフを持ったまま自宅付近へ現れた時点で、ビクトリアから見れば十分な脅威です。彼女は立ち去るよう何度も警告しましたが、セドリックは距離を詰めて塀へ上がりました。
ビクトリアは相手が先に攻撃するまで待ちません。枝で右脇腹を打ち、同じ場所へ蹴りを重ね、最後はナイフを構えて撤退させます。その結果、セドリックは肋骨を二本折りました。
セドリックは剣術に自信を持ち、ジェフリーから指導も受けています。それでも勝負にならなかったのは、彼が剣士として鍛えられているのに対し、ビクトリアは任務で生き残るための戦闘を身につけているからです。
足場、相手の視線、負傷箇所、隠し武器。使えるものを瞬時に選び、会話中でも攻撃を止めない。そこに騎士道的な勝負をする発想はありません。
王子に悪意はなかったとしても、身分を隠したまま女性の実力を試す行動は軽率でした。ビクトリア以外の工作員なら、肋骨二本では済まなかったでしょう。
ジェフリーはなぜビクトリアを逮捕しなかったのか
事件が表沙汰にならなかった大きな事情は、セドリック本人が負傷の理由を「転んだ」と説明したことです。王子は自分の軽率な接触を隠し、ビクトリアから襲撃されたとは訴えませんでした。
そのうえでジェフリーは、ビクトリアが何度も警告したこと、相手がナイフを隠し持っていたこと、ノンナの暮らす家まで知られたことを聞きます。彼女が罪を犯すためではなく、自分とノンナを守るために戦ったと理解したのです。
男の外見と、同じ日に肋骨を折って帰ったセドリックの状況から、ジェフリーはすぐ真相へたどり着きました。さらに、自分が剣を教えた王子を圧倒したビクトリアが、「少し剣を習っただけの女性」ではないことにも気づいています。
それでも彼は正体を問い詰めず、「俺は君を捕まえるつもりはない」と答えました。セドリックには乱暴な方法で接触しないよう話し、ビクトリアには自分の実家へ避難するよう提案します。
ジェフリーの実家なら使用人も多く、兄エドワードは王家へ強く抗議できる立場です。彼は秘密を黙認しただけではなく、ノンナを含めた生活ごと守る方法を即座に差し出しました。
「私のことを捕まえますか?」は、逮捕の有無だけを尋ねた言葉ではありません。ジェフリーが敵になるなら、ビクトリアはその場でノンナを連れて消えるつもりでした。
つまり彼女が確かめたのは、この男を信じて国に残れるかどうかです。ジェフリーは過去を白状させるのではなく、今まで見てきたビクトリアの行動を根拠に味方を選びました。派手な愛の言葉より、こういう判断の方が刺さるんですよ。
手札が多めのビクトリア4話だけ作画や演出が違って見えるのはなぜ?
第4話では顔の接写、斜めに傾いた構図、長く取られた沈黙が増え、それまでの話数とは異なる映像の手触りがありました。人物の顔つきや会話のテンポまで変わったように感じた人も多かったはずです。
違って見えた最大の理由は、第4話の絵コンテと演出を山内重保さんが担当したことです。通常の会話を単純な切り返しで処理せず、表情の一部や視線を強く見せる画面が続きました。
冒頭のビクトリアとノンナの場面では、二人が互いを思いやりながらも、捨てられる不安と秘密を話す怖さを抱えています。落ち着かない距離や構図が、その言葉にならない緊張を映していました。
ジェフリーと向き合う場面でも、彼が先に目を逸らす動きを長めに見せています。ビクトリアの実力に気づき、追及するか守るかを考えた末に、ジェフリーが答えを選ぶ沈黙です。
少なくとも、単純に「作画が崩れた」だけで片づける回ではありません。構図と芝居を意図的に変えた影響が大きく、好みが分かれるほど演出家の色が前面へ出ていました。
ビクトリアの手札が幸せを作る力へ変わり始めた第4話
後半では、バーナードの負傷で助手の仕事が休みとなり、ビクトリアはエバから息子クラークの家庭教師を頼まれます。
クラークが外国語を苦手としていたのは、能力が低いからではありません。最初から文法や文学作品を詰め込まれ、間違えることを恐れるようになっていました。
ビクトリアは体を動かしながら外国語を使わせ、「間違えたら直せばいい」と教えます。人を欺くために覚えた語学と、工作員を育てる訓練法が、少年へ学ぶ楽しさを返しました。
格闘、語学、観察力。かつて任務を遂行するために使った手札が、今はノンナを守り、クラークを励まし、ジェフリーとの信頼を育てています。
逃げる手札なら山ほど持っているのに、人との縁を失わずに残る方法だけは知らないビクトリア。そんな彼女を捕まえ始めたのは騎士団ではなく、この国で出会った優しい人たちでした。尊いな、ちくしょう(笑)。
【公式サイト・引用・参照】
- TVアニメ『手札が多めのビクトリア』公式サイト、第4話「私のことを捕まえますか?」
- テレビ東京、『手札が多めのビクトリア』第4話番組情報
- eeo Media、『手札が多めのビクトリア』第4話あらすじ・先行カット
- 小説家になろう、原作第20話「何者?」
- 小説家になろう、原作第22話「語学の授業」
- Yahoo!リアルタイム検索、第4話の演出・作画に関する反応

ご覧いただきありがとうございます。
ビクトリアがノンナを守る覚悟と、ジェフリーの誠実な判断に胸が熱くなりました。

王子の肋骨を折っても信頼されるとは、また危険な男に好かれているにゃ!

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