いや、人間嫌いの猫竜が王都のど真ん中で歓迎されているだけで妙に笑ってしまいました。本人は気乗りしていないのに、扱いだけ見れば完全に国賓級です(笑)。
第12話「猫と王都の祭り」は、猫と人間が何百年もかけて築いた関係を、祭りと劇、そして魔法で締める一話でした。第1話から続いてきた「人間は怖い。でも全部の人間が同じではない」という猫竜の答えが、王都そのものになって返ってきます。
※この記事は2026年9月13日に更新されました
猫と竜 12話 感想:人間嫌いの猫竜が王都の主役になる皮肉がいい
今回いちばん好きだったのは、猫竜の人間嫌いを治してハッピーエンドにしなかったところです。公式プロフィールでも猫竜は「とある理由で極度の人間嫌い」。第12話でも気が進まないまま、城猫モナルカに引っ張られて王都へ向かいます。
それでも街では歓迎され、王城では特等席。猫竜からすれば落ち着かないでしょうが、人間側にとって彼は、この国と猫の関係が始まるきっかけになった存在です。
嫌いだから全部切るのではなく、猫たちが作った縁は尊重する。猫竜の頑固さを消さずに共生へ着地させたのが『猫と竜』らしいところでした。
第1話では人間の欲望が猫竜の怒りを引き出し、最終話では人間たちが猫竜を歓待する。この反転が効いています。人間が突然善良になったのではなく、何世代もかけて「猫を傷つけない」という文化を作った結果だから、きれい事にも見えません。
王都の祭りは何を祝う祭りなのか
王都の祭りは、人間と猫が築いてきた絆を称える年に一度の祭りです。猫をかわいがるだけのイベントではなく、この国が猫と共に生きるようになった歴史そのものを祝っています。
公式の第12話あらすじでも「人間と猫の絆を称える」祭りと明記され、猫竜は王城で、かつて猫たちと人間が育んだ歴史を再現した劇を見ることになります。
その出発点は、かなり物騒です。原作「猫と竜」では、人間がケットシーを毛皮目的で大量に殺したことで猫竜が激怒。猫を守るため、人間の街へ直接警告に向かっています。
ただし猫竜は、母猫から「人間にも優しい者はいる」と教えられていました。怒りのまま街を滅ぼさず、その後に森の猫と人間の王子が友達になったことで、関係は別の方向へ進み始めます。
だから祭りが祝っているのは「昔から仲良しだった猫と人間」ではありません。一度は決定的に壊れかけた関係を、猫の友情と人間側の積み重ねで作り直した歴史です。人間嫌いの猫竜本人が祭りの中心にいるのは、なかなか味わい深い構図でした。
猫竜はなぜ人間嫌いなのに王都へ行ったのか
第12話で王都へ行った直接の理由は、モナルカに引っ張られて渋々参加したからです。猫竜が自分から「祭り楽しみ!」となったわけではありません。そこは大事です(笑)。
では、なぜ本気で拒絶しないのか。原作で猫竜は、人間に近づいた森の猫へ「人間は危険だ」と反対します。ところが猫から「王子は友達だ」「友達は大切にしろと教えたのはおじちゃんだ」と返される。
これが猫竜には効くんですよ。自分が猫たちへ教えてきた生き方を、自分の人間嫌いだけを理由に否定できない。人間全体への警戒と、猫が選んだ友達への信頼を分けて考えているわけです。
王都へ行けるのも同じ延長線上です。人間嫌いが消えたのではなく、猫たちが何世代もかけて作った関係を認めている。丸くなったというより、猫に育てられた竜らしく筋を通しているんですよね。
劇で描かれた猫と人間の歴史とは
劇の中心にあるのは、森の猫と人間の王子の友情から始まり、猫の魔法が人間へ伝わり、王国が猫を守る国へ変わっていった歴史です。
原作では、魔法が不得手だった王子と森の猫が友達になり、猫が「魔法を教えたい」と猫竜へ頼みます。猫竜は警戒しますが、最終的にその交流を認めました。
猫は王子へ、少ない魔力でも力を引き出す方法や精霊との関わり方を教えます。成長して王となった王子は、その知識を国民へ広めました。
王家に子供が生まれるたび森の猫が訪れ、王子や姫と友達になる関係も続きます。人間側も猫から受けた恩を忘れず、やがて猫を傷つけない国になった。原作では国の紋章まで「猫とそれに寄り添う竜」へ変わっています。
第12話の劇が面白いのは、猫竜にとっては昔の出来事でも、人間側では国の歴史として継承されていることです。長命な猫竜が生きた記憶を、短命な人間が物語にして残している。ここ、派手ではないけれどかなり尊いです。
祭りの花火が示すもの|猫から人間へ渡った魔法の現在地
祭りを彩る花火は、猫から人間へ伝わった魔法が、誰かを傷つける力ではなく祝うための力として使われていることに意味があります。
猫竜が人間を嫌う原因になったのは、必要もないのに猫を殺し、その毛皮を欲しがる人間の姿でした。一方で森の猫は、友達になった王子を助けるため自分たちの魔法を教えました。
その魔法が長い時間を経て、猫も人間も一緒に見上げる祭りの光になる。最初は猫を守るため人間へ怒りをぶつけた猫竜が、最後は人間の街でその光を見るわけです。
力そのものが善悪を決めるのではなく、どう使い、何を次の世代へ残すかで世界は変わる。『猫と竜』はそこを説教臭くせず、猫が友達を作った結果として見せてくれるのがうまい。
猫と竜12話の余韻:世界を変えたのは一匹の猫の「友達」だった
この国を変えた最初の一歩は、大げさな条約でも英雄の演説でもなく、一匹の猫が人間の王子を友達に選んだことでした。猫竜が警戒しても、猫は気に入った相手のところへ勝手に行く。猫だもの(笑)。
その勝手な友情を、人間が何世代にもわたって守ったから祭りになり、劇になり、夜空の光になった。第1話の警戒と怒りからここへ着地する最終話、控えめに言って最高でした。
【公式サイト・引用・参照】

最後まで読んでいただきありがとうございます!
『猫と竜』12話は、王都の祭りと劇を通して猫と人間が積み重ねてきた歴史が見えてくる回でした。

人間嫌いの猫竜まで祭りにいるのがいいにゃ!
素直じゃないところまで猫そのものにゃ(笑)!

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