『機械じかけのマリー』第9話「嘘と秘密がバレたマリー」 感想・考察｜嘘が嫌いなアーサーが選んだ恋のかたち

「機械じかけのマリー 第9話 感想」で検索してきた方は、おそらくあの花火の夜を、もう一度ゆっくり言葉にしたくなっているのではないでしょうか。

嘘が大嫌いなアーサーが、マリーの正体に気づきながらも「気づかないふり」を選ぶ第9話「嘘と秘密がバレたマリー」。秋祭りのドタバタと、ノアの静かな失恋、そして甘くて苦い告白が一気に押し寄せてきた回でした。

この記事では、『機械じかけのマリー』第9話のあらすじをおさらいしつつ、感想・考察・SNSの反応までまとめて整理していきます。ネタバレを含めて、マリーとアーサーの「嘘」と「本音」がどこにあったのか、一緒に振り返っていきましょう。

※この記事は2025年12月3日に更新されました。

『機械じかけのマリー』第9話 感想とあらすじまとめ（嘘と秘密がバレたマリー）

秋祭りと花火、クラスメイトとの距離、そしてアーサーとマリーの「嘘」がついに揺らぎ始める──『機械じかけのマリー』第9話は、ラブコメらしい賑やかさと物語全体を動かすターニングポイントが同居した回でした。

ここでは公式のあらすじを踏まえながら、第9話「嘘と秘密がバレたマリー」の出来事を整理しつつ、どこが胸に刺さるのか、どんなテーマが潜んでいるのかを、私なりの視点も交えて丁寧に振り返っていきます。

秋祭りと花火の夜に起きた出来事をおさらいするあらすじ

今日はカルミア高校の秋祭りの日で、屋上から花火を見るのをクラス全員が楽しみにしています。しかしアーサーは生徒会の仕事で参加できず、その間もマリーのことを意識せずにはいられません。マリーは「本当はアーサーと花火を見たかった」と感じつつも、まずはファンクラブの面々と仲良くなろうと動き出します。

マリーは調理実習で作ったクッキーを手土産に「一緒に花火を見ませんか」とアプローチしますが、ノアが勝手に食べて「毒だ」と断定してしまい失敗。そこで今度は“お嬢様モード”を発動し、自分もセレブなお嬢様だと言い張るものの、趣味が「馬を持ち上げる」「ピアノを持ち上げる」と筋肉アピールに走り、おプロテインをぶちまけて追放されてしまいます。

さらにブリジットに四つ葉のクローバー入りの手紙を出したところ、まさかのアレルギーでくしゃみ地獄にしてしまい、彼女の怒りを買うことに。そんな中、教室では花瓶が割れる事件が起こり、先生は犯人が名乗り出るまでホームルームを終えない、花火も中止だと宣言します。クラス全員の楽しみが潰れそうになった時、マリーは「私がやりました」と身代わりを買って出るのです。

しかし真犯人は陰でマリーを「地味で暗い女」と嘲り、その瞬間ノアが「先に手を出させて正当防衛にする」という暴論ロジックで相手を殴り倒し、「マリーちゃんをいじめるのは僕だけなんだ」と宣言。犯人たちは反省して掃除を引き受け、マリーはノアに背中を押されて再びファンクラブに声をかけに行きます。このあたりの流れは、アニメイトタイムズの第9話解説でも丁寧に整理されています。

勇気を振り絞って「友達になってくれませんか」と告げたマリーに対し、ブリジットは「友達は無理。でもライバルならなってあげる」と返答。完全な和解ではないものの、一歩だけ関係が前進します。そして屋上では、転びそうになったマリーをアーサーが支え、二人で花火を見ることに。ノアはその様子を見届けて、静かにその場を去っていきます。

一方その夜、ロイはマリーの幼少期の記事を「ほとんど処分した」と語りつつ、残った分だけは目を通すよう勧めます。ところがマリーが窓を開けて花火の余韻を味わっていると、一枚の記事が風に飛ばされ、それをアーサーが偶然拾ってしまうのです。その記事には、マリーが“人間”である証拠がはっきりと記されており、第9話の後半は一気に緊迫した空気へと切り替わっていきます。

空回りな友達作りから告白まで──第9話の感想と見どころ

第9話前半のマリーを見ていると、「ここまで全部裏目に出るか…」と笑いながらも、どこか放っておけない気持ちになります。クッキー作戦はノアに台無しにされ、お嬢様モードは筋肉の話で崩壊し、四つ葉のクローバーもアレルギー爆弾になってしまう。行動だけ見れば完全にやらかし続きなのに、私たちは彼女に苛立つより先に「がんばれ」と応援したくなるのが不思議です。

私の考えでは、その理由はマリーの目的が一貫して「みんなと仲良く花火を見たい」ただ一点に集約されているからだと思います。ファンクラブの承認が欲しいわけでも、マウントを取りたいわけでもない。ただ、アーサーを好きな人たちともきちんと向き合いたい。その純粋さが、どれだけズレた行動をしても、視聴者に「彼女はいい子だ」と思わせ続けてくれるのだと感じました。

花瓶事件でマリーが「花火がなくなるくらいなら、皆さんの楽しい時間を守れるならそれでいい」と自ら罪をかぶる場面は、まさにその延長線上にあります。自分の評価よりもクラス全体の時間を優先する姿は、ドタバタコメディの裏側にあった彼女の優しさを強く浮かび上がらせるシーンです。このあたりは、アニメ全体のアウトラインがまとめられている公式サイトのトーンともきちんと噛み合っていて、「ロボットのふりをした人間」が持つ温度を印象づけてくれます。

そして後半、一気に空気が変わるのがアーサー視点のパートです。過去のトラウマから「もう誰にも嘘をつかれたくない」と強く心に決めているアーサーが、マリーの記事をきっかけに「ロボットではなく人間かもしれない」と疑い始める。ハチが入ってきたときの反応や、オイルに見えた液体が実は水だったことなど、小さな違和感が積み重なっていく描写がとても丁寧で、見ているこちらも一緒に息を詰めてしまいました。

極めつけは、暗殺者に刃物を投げつけて気絶させるあのシーンです。一瞬「まさかマリーに向けるのでは」とヒヤッとさせておきながら、実際には彼女を守るための武器として使う。ここでアーサーは、「疑いの先にあるのは排除ではなく保護だ」というスタンスをはっきり示しているように見えます。その直後に「君がいるだけで救われる」「君が好きだ、ずっと一緒にいたい」と告白まで一気に踏み込む流れは、ラブコメとしてもドラマとしても非常に満足度の高いクライマックスだと私は感じました。

ノアの立ち位置にも触れておきたいところです。マリーをかばうために「マリーちゃんをいじめるのは僕だけ」と言い放ち、真犯人を殴り倒すノアは、表面上はかなり問題児寄りのキャラですが、その裏側には「彼女を傷つける役なら自分が引き受ける」という歪んだ優しさが透けて見えます。マリーとアーサーが屋上で花火を見る姿を遠くから見届け、静かにその場を去るノアの後ろ姿は、まさに“静かな失恋”の描写で、私はここで胸がぎゅっとなりました。

こうした細かな感情の揺れは、個人ブログや感想サイトでも多く語られていて、例えば第9話の感想を詳しく綴ったレビューでは、マリーの空回りとノアの切なさ、そしてアーサーの決意が三位一体で響いてくる回だったと評価されています。私も同じように、この第9話を境に作品のトーンが一段深いところへ潜っていった、と感じました。

嘘が嫌いなアーサーが抱えた「気づかないふり」というテーマ考察

第9話のサブタイトルは「嘘と秘密がバレたマリー」ですが、実際に“嘘”の重さを背負うことになったのは、むしろアーサーの側だと私は思っています。彼はこれまで、親友だと思っていたダリルに裏切られた過去から、嘘そのものを強く憎んできました。その背景は、以前のエピソードを解説した第7話の特集記事でも詳しく触れられています。

そんなアーサーが今回、マリーの過去記事や不自然に消された検索結果を通して、「彼女はロボットではなく人間かもしれない」という真実の断片を拾い集めてしまう。普通なら「騙されていた」と怒ってもおかしくない状況なのに、彼は怒りより先に、ピアノを弾きながら自分の弱さと救われた気持ちを打ち明けます。嘘を憎む少年が、その嘘の向こうにある“支えてくれた時間”を先に見てしまったからこそ、感情の優先順位が入れ替わっていくのがわかるのです。

私の解釈では、アーサーが最後に選んだ「気づかないふり」は、彼なりの“最大限の優しさ”であり、同時に“最大級の自己矛盾”でもあります。真実を知りながら知らないふりをすることは、彼自身が一番嫌っていた嘘のはずです。それでも彼は、マリーがそばにいてくれた時間や、彼女の不器用な優しさを守りたいがゆえに、自分の倫理観をひとまず脇に置く。この瞬間、アーサーは「嘘をつかれる側」から「嘘を抱える側」へと立場を変えてしまうのだと思います。

一方で、ロイとマリーは「バレたら屋敷を出ていく」「そのときはアーサーに詫びて責任を取る」と、どこまでも真っ当な筋道を用意しています。嘘をついてしまった側が罰を受けるべきだという、非常に健全な倫理です。しかしアーサーは、その“正しさ”とは別の答えを選ぶ。ここで三人の「正しさ」が微妙にズレていく構図が、第9話をただの正体バレ回ではなく、価値観の交差点として印象づけていると私は感じました。

この「マリーが人間である証拠をアーサーが発見する」という転機については、ニュースサイトのWEBザテレビジョンによる第9話紹介記事でも大きく取り上げられています。そこでは、マリーが隠してきた秘密と、アーサーが抱え込むことになった新しい嘘が、今後の物語に大きな波を起こすと示唆されています。

ブリジットの「友達は無理、ライバルならなってあげる」という言葉も、テーマ的には重要です。彼女はマリーを「アーサーを好きな一人の女の子」として同じ土俵に上げました。つまり感情のレベルでは、すでにマリーを“人間”として認めているわけです。そこへ理性の側からアプローチしてきたのが、アーサーの「マリーはロボットじゃない」という気づきであり、第9話はこの二つの認識がようやく重なった回だとも言えるでしょう。

嘘を憎む人間が、自分から嘘を選ばざるを得なくなるとき、人はどこまで優しくなれるのか。あるいはどこまで残酷になってしまうのか。第9話はその問いの入り口に立ったエピソードであり、ここから先の物語で、アーサーとマリーがどんな答えを出していくのかを見届けたくなる、静かな余韻を残してくれました。

視聴者の声で読み解く秋祭りと告白の余韻

第9話は、物語のテンションが前半と後半で大きく揺れる構成だったこともあり、SNSでは「笑ったのに最後で一気に刺された」「ノアの背中が忘れられない」といった感想が多く見られました。ここでは、視聴者がどこに心を動かされたのか、好評ポイントから賛否の分岐点まで整理しながら、第9話がファンにどう受け止められたのかを読み解いていきます。

公式X（『機械じかけのマリー』TVアニメ公式）の投稿でも第9話の注目シーンが紹介され、多くのファンがリアルタイムで反応していました。視聴者の声を拾うことで、作品がどの文脈で語られているのか、そしてどの感情が最も共感を呼んだのかがより鮮明になります。

マリーのお嬢様モードとノアの失恋が好評だったポイント

第9話の前半で特に盛り上がったのは、マリーのお嬢様モードと“空回り友達作り”の連続エピソードでした。SNSでは「筋肉アピールで崩壊するお嬢様モード最高」「四つ葉アレルギーのくだりで声出して笑った」といったコメントが溢れ、久々にコメディ全振りのテンポを楽しむ声が多く見られました。

しかし好評の中心は、単なるギャグとしての面白さではありません。視聴者の多くが「マリーの不器用さが愛しい」「頑張れば頑張るほどズレるのに、応援したくなる」と語っており、その背景には“彼女が本気で友達になりたいと思っている”という真剣さが透けて見えるからこそ、ギャグの一つひとつが切なさを帯びてくるのです。

同時にSNSで強く語られたのが、ノアの描写でした。「いじめていいのは僕だけ」という名言めいたセリフは一気に話題になり、コメディとして受け止められる一方で、「ノアの歪んだ優しさが刺さる」「あの一歩引いた背中が忘れられない」といった“静かな失恋”として受け止める声も多く見られました。特に屋上の花火を見届けてから静かに去っていくノアのシーンは、多数のレビューサイトでも高評価で、個人ブログの感想記事でも、その切なさが丁寧に語られています。

刃物と暗殺者シーン、重くなる展開への賛否と受け止め方

後半に差し掛かると空気は一転し、SNSでは「怖いと思った瞬間に守る側に回るアーサーが最高」「刃物の使い方がズルい」といった反響が飛び交いました。視聴者の多くが“マリーに刃物が向くのでは”と不安を覚えたタイミングで、アーサーはそれを暗殺者に投げつけて気絶させる。この緩急のつけ方が「第9話最大の緊張と安心」として語られているのが印象的です。

一方で「前半コメディ→後半シリアスの落差が大きい」という声もありました。とはいえ多くの視聴者は「このギャップが作品の魅力」「むしろここで一気に物語が動いた」と好意的に受け止めており、“嘘”というテーマがコメディからドラマへと転換していく回として高く評価されています。刃物のシーンを含むアーサーの葛藤は、WEBザテレビジョンの第9話紹介記事でも緊張感のある転機として取り上げられており、作品全体の空気がここで変わったと分析されていました。

また、重くなる展開の中でも「アーサーが怒りよりも迷いと優しさを優先した」点がSNSでは大きな共感を呼び、特に「気づかないふり」という選択に対しては「嘘を憎む彼が嘘を抱えるのが切なすぎる」「この決断が後々絶対物語を動かす」と語られていました。視聴者は、彼の中の“正しさ”が揺らぐ瞬間を敏感に受け取り、その揺れ幅こそが第9話を特別な回へ押し上げているのだと感じます。

SNSで語られた「嘘」と「秘密」に共感したファンの反応

第9話全体を通して最も語られたテーマは、やはり「嘘」と「秘密」です。マリーの正体に関する謎は以前から伏線として視聴者の関心を集めていましたが、第9話でアーサーが“真実の断片”を拾い始めたことで、SNSでは「ついに来た」「ここからが本番」という期待の声が広がりました。

特に注目されたのが、アーサーが「嘘が嫌いであるにもかかわらず、自分から嘘を抱える側へ回った」という一点です。多くの視聴者が「これがアーサーの優しさであり弱さ」「気づかないふりという最大の嘘が物語を動かす」と分析しており、公式Xの投稿にも引用リプライで「この表情の裏に全部詰まってる」「知ってしまったからこそ守りたいんだ」といった解釈が寄せられていました。

また「マリーはロボットじゃない」という気づきと、それを告げない決断が生んだ“二人だけの秘密”に対しては、「甘いのに苦い」「恋愛としてもドラマとしても完璧」「第9話はシリーズ屈指の名回」と評価する声が多数。アニメファンの間では、作品の転換点として記憶されるエピソードになったといえるでしょう。

視聴者の反応全体を見ると、第9話はコメディ・友情・恋・ミステリーのすべてが一度に噴き上がった回であり、そのどれもがSNS上でしっかり語られていた印象です。テンションの落差すら「この作品らしさ」として肯定的に受け入れられ、次回への期待を強く高めたエピソードだと感じました。

『機械じかけのマリー』第9話 感想まとめと次回第10話への期待

第9話「嘘と秘密がバレたマリー」は、コメディとシリアスが鮮やかに交差し、キャラクターたちの心の奥を一気に照らし出したエピソードでした。マリーの不器用な優しさ、ノアの静かな失恋、そしてアーサーが抱えることになった“気づかないふり”という最大の嘘。そのすべてが花火の光とともに浮かび上がり、作品のテーマである「嘘」と「本当」がようやく正面から動き始めたと感じます。

特に印象的だったのは、三人の“正しさ”が別々の場所に立っていたことです。マリーは「バレたら屋敷を出る」という覚悟を持ち、ロイは「嘘の責任は取るべきだ」と大人としての筋を通し、アーサーは「それでも失いたくない」と自分の中の正義を曲げてでも彼女を守ろうとする。それぞれが違う答えを選んでいるのに、どれも間違いではない。むしろ、そのズレこそが物語を深くしているのだと私は感じました。

そして、最後の告白──「君が好きだ。ずっと一緒にいたい」。一見すると甘い一言ですが、そこに重なる“秘密を抱えたままの未来”は、ただ幸せなだけでは終わらない余韻を残します。マリーの正体が本当に明るみに出たとき、アーサーはどんな選択をするのか。ロイの覚悟はどんな形で回収されるのか。第9話はその問いへの入口として、次回への期待を強烈に引き寄せる回でした。

三人の「正しさ」が交差した第9話のまとめと第10話への予感

次回第10話では、アーサーが抱え込んだ“秘密の重さ”がどのように作用するのかが焦点になりそうです。彼が選んだ「気づかないふり」は、優しさであると同時に、いつか必ず向き合わざるを得ない選択でもあります。その瞬間に、マリーがどんな言葉を返すのか。ノアはどんな距離感で二人を見つめるのか。視聴者の間でも「ここから恋と嘘の物語が本格的に動く」という期待が高まっています。

また、ロイが口にした「バレたら遠くに行ってもらう」という言葉が今後どう影を落とすのかも気になるところです。家族として、仲間として、どこまで彼はマリーを守ろうとするのか。彼の“正しさ”がアーサーの“正しさ”とぶつかる瞬間は、物語の大きな転機になるでしょう。

そして、マリー自身の心がどこへ向かうのか。人間としての自分、ロボットとしての仮面、その境界線が揺らぎ続ける中で、彼女がどんな選択をし、どんな言葉でアーサーに向き合うのか。第9話は“始まり”を告げた回であり、その先に待つ波乱を予感させる静かな助走でもありました。次の花火は、きっともっと眩しく、そして苦い光を放つはずです。

【公式サイト・引用・参照】
『機械じかけのマリー』公式サイト
『機械じかけのマリー』公式X
アニメイトタイムズ｜第9話あらすじ・先行カット