『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』7話|山田は退職した?レジにいない理由と「夏の終わり」の意味

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山田さんを数日レジで見ないだけで「トラブル?」「退職?」まで想像する佐々木さん。もう完全に生活へ山田さんが組み込まれてるじゃないですか(笑)。

第7話「スーパーの裏と夏の終わり」は、山田不在への佐々木の動揺から始まり、8年前と現在まで静かにつないでいく回でした。恋愛を大声で叫ばないのに、二人が互いの人生へ入り込んでいることだけはハッキリ分かる。そこが最高です。

※この記事は2026年8月21日に更新されました

スーパーの裏でヤニ吸うふたり7話 感想:山田がいないだけで動揺する佐々木がもう完全に沼(笑)

佐々木にとって山田のレジは、仕事で削られた精神を回復する場所です。だから最近見かけないとなれば、悪い想像まで膨らんでしまう。

面白いのは、その不安を受け止めるのが田山だということ。佐々木は山田を心配しているのに、その山田本人である田山へ相談している。視聴者だけが構造を知っているから、会話が全部ニマニマ案件になるんですよ。

しかも第7話では、以前田山からもらった「殴ってヨシ」のメモを佐々木が大切にしていることも効いてきます。

佐々木は山田の笑顔だけを癒やしだと思っている。でも実際には、田山からもらった言葉にも支えられている。本人の中では別人なのに、山田/田山の両方が日常のかなり深いところへ入り込んでいるわけです。

公式リアルタイム視聴会で森あおい監督は、田山について「佐々木をクールに支えてやっている感じ」というディレクションだったと説明し、「社会を生き抜く二人のバディ感」と表現しています。

そう、ここが好きなんですよ。恋人未満だから薄いのではなく、恋愛以前にもう「しんどい日常を一緒に越える相棒」になっている。

さらに前澤も初登場。スーパーSのレジ部門チーフで、佐々木をいきなり「山田のファン28号」と命名します。日笠陽子さんの豪快な芝居も相まって、登場した瞬間からスーパーSの古参感がすごい(笑)。

そして犬の大五郎。公式は登場時にCVを「???」と伏せましたが、正体は佐々木役の佐藤拓也さん。鈴木理人監督いわく、飲み会でお願いしたらそのまま実現したとのこと。犬まで佐々木ボイスなのズルいって。

山田さんはなぜレジにいなかった?退職したのか

山田は退職していません。レジで見かけなかったのは、昇給試験に向けて勉強していたからです。

事情を知らない佐々木だけが、「何かトラブルに巻き込まれたのか」「まさか辞めたのか」と不安を膨らませていました。

田山から事情を聞いた佐々木はひと安心。そして田山は、試験を頑張る山田へ応援のメッセージを書いてほしいと頼みます。

ここが実に田山らしい。自分で「応援して」と直接言うのではなく、あくまで山田の友人という立場を利用して佐々木の本音を引き出す。

佐々木が書くのは、変に格好をつけない素直な応援です。それを受け取った山田は大切にする。

田山=山田だと知っている側から見ると、まあまあ高度な自作自演なんですが(笑)、山田が欲しいのは社交辞令ではありません。佐々木が自分をどう思い、どんな言葉をかけてくれるのか知りたいんですよね。

そして山田は試験に合格します。

これまで佐々木は「自分が山田さんから勝手に元気をもらっているだけ」という姿勢を崩しませんでした。でも第7話では、その逆方向も見える。

佐々木の何気ない言葉も、ちゃんと山田の支えになっている。片方だけが癒やされている関係では、もうないんです。

「スーパーの裏と夏の終わり」の意味とは

サブタイトルの「夏の終わり」は、終盤の佐々木の「これが今年の、夏の終わりか」という言葉でそのまま回収されます。

ただ、私はこの一言が単なる季節の説明には聞こえませんでした。

『ヤニすう』では、大事件で関係が進むわけではありません。スーパーへ行き、煙草を吸い、どうでもいい話をしている。その繰り返しの中で、気づいたら季節だけが一つ先へ進んでいる。

そして二人の距離も同じです。

佐々木は田山にもらった紙を大切にし、山田がいなければ本気で心配する。田山は佐々木の言葉を欲しがり、仕事で疲れた彼を自然に支える。

本人たちは「関係が変わった」なんて言わない。でも夏の初めと終わりでは、明らかに相手の存在が大きくなっています。

映像側も、この時間の感覚をかなり意識しています。森あおい監督は公式リアルタイム視聴会で、原作29本目のカラー扉絵をもとに、本編とは異なる少しブルーがかった色あせた色味へ変更したと説明しています。

鮮烈な真夏の青ではなく、少し褪せた青。終わりかけの季節を見ているような色なんですよ。

しかも最後に佐々木がひとつあくびをして去る演出も、原作者・地主先生によるものだと監督が明かしています。

ドラマチックに締めず、「じゃあまた明日」に近い温度で終わる。夏は終わっても、スーパーの裏の日常は終わらない。この作品にはその締め方がよく似合います。

8年前の男性は佐々木だった?山田との過去の出会いを整理

8年前に登場した男性は、現在の佐々木です。

これは雰囲気が似ているという推測だけではありません。第7話放送中、森あおい監督が公式リアルタイム視聴会で「8年前の男性から、現在の佐々木へ移り変わるシーン」と明言しています。

さらに、その過去から現在へつなぐ画面の切り替えは原作者・地主先生による演出でした。

つまり、8年前の男と現在の佐々木を重ねる意図は明確です。

ここが分かると、『ヤニすう』の関係性が一段深くなります。

かつて佐々木が何気なく差し出した善意が山田の中へ残り、現在は仕事で疲れ切った佐々木を山田がレジ越しの笑顔で癒やしている。

さらにスーパーの裏では、田山として佐々木を支えている。

本人たちは「昔あなたに救われました」「今度は私が救します」なんて大仰なことを言いません。それどころか、自分が相手にどれほど影響を与えているのか、互いによく分かっていない。

でも善意だけは8年越しで戻ってきているんですよ。

若い頃の佐々木が誰かに残したものを、くたびれた現在の佐々木が別の形で受け取っている。こういう因果の返し方、ベテランオタクには刺さるんです。派手な運命の赤い糸より、本人も忘れた親切が巡ってくるほうがずっと沁みる。

第7話は、大きく恋が進んだ回ではありません。それでも山田がいないだけで不安になり、田山の言葉を大切にし、8年前の善意まで現在へつながった。

夏は終わりました。でもスーパーの裏で煙草を吸う二人の時間はまだ続く。季節だけ先へ進んで、本人たちだけ相変わらず鈍い。このじれったさ、控えめに言って最高です(笑)。

【公式サイト・引用・参照】

最後まで読んでいただきありがとうございます!
ヤニすう7話は、山田がいないだけで動揺する佐々木の沼っぷりが最高でしたね。

にゃん子
にゃん子

田山本人に山田の心配を相談してるのが面白すぎるにゃ!
もう完全にハマってるにゃ!

8年前の佐々木と山田の関係や「夏の終わり」で感じたことも、ぜひSNSでシェアして皆さんの意見を聞かせてください!

アニメ愛好家ユウ

アニメオタク歴25年、アニメ研究歴20年(メディア学専攻)のアニメ研究ライター。
アニメ年間150本以上を視聴し、イベントやコミュニティでも発信。
日本のアニメ・マンガ・ゲームを世界遺産級カルチャーへ。
そんな想いで『アニメのミカタ』を運営中。

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