赤ん坊が黒猫の尻尾を握った瞬間、「はい、もう一生の相棒です」と心の中で判定していました(笑)。第4話「黒猫と王子」は、クロバネに憧れた王子スタンが、守られる子供から英雄を目指す少年へ踏み出す回です。
幼少期の「王子」と成長後のスタンは同一人物です。そして二人が城を出たのは、王子が責任から逃げるためではなく、クロバネの隣に立てる男になるためでした。
※この記事は2026年7月19日に更新されました
『猫と竜』4話感想:赤ん坊と渋い黒猫の組み合わせが尊すぎる
熊を一匹で倒し、顔に傷を残した黒猫クロバネ。猫たちから英雄と呼ばれるほどの強者なのに、赤ん坊の泣き声には弱く、尻尾を振って必死にあやす。この落差はズルいです。
しかも声は速水奨さん。低く落ち着いた声で話す渋い英雄が、やっていることは赤ちゃんの寝かしつけです。ベテラン声優と小さな子供の組み合わせに弱い私には、控えめに言って最高でした。
クロバネは王子を甘やかすだけではありません。木登りや武器、魔法、冒険者としての振る舞いまで教えようとする。王城育ちの少年なのに、教育方針がほぼケット・シーです(笑)。
一方の王子も、クロバネの強さを表面だけ真似したわけではありません。冒険が者を鍛えると考え、自分も外の世界へ出ると決める。赤ん坊から英雄王へ続く道が、一本の尻尾から始まっているのがたまりません。
王子とスタンは同一人物なのか
幼少期に「王子」と表記された子供と、成長後のスタンは同一人物です。
スタンという名前が成長後についたわけではありません。公式の第4話あらすじでも、生まれたばかりの段階から「王子・スタン」と明記されています。
分かりにくく見える理由は、キャスト表記が幼少期の「王子/小市眞琴さん」と、成長後の「スタン/榎木淳弥さん」に分かれているためです。人物が交代したのではなく、成長に合わせて声優と表記が切り替わっています。
赤ん坊のスタンはクロバネの尻尾を握り、成長してからもクロバネの背中を追い続けました。呼ばれ方や声が変わっても、二人をつなぐ憧れは最初から変わっていません。
幼少期を「王子」、成長後を「スタン」と呼び分ける演出には、肩書から一人の人間へ視点が移る効果もあります。城の中では王位を継ぐ子供ですが、冒険へ出れば自分の力で名を刻むスタンです。
スタン王子はなぜ城を抜け出したのか
スタンが城を出た理由は、冒険によって自分を鍛え、クロバネの隣に立てる男になるためです。
スタンは、魔王を退治した冒険者たちが国王やクロバネと同じ強者の気配をまとっていることに気づきました。そこで、人を強くたくましく変えるものは冒険だと考えます。
もちろん、立派な王になることも目的の一つです。ただしスタンは途中で、自分の本心を言い直しています。王になる前に、まずクロバネと肩を並べるにふさわしい男になりたい。王位より先に、一匹の猫から友と認められることを望んだのです。
歴代の王族は、猫と友人になった結果として魔法を教わってきました。ところがスタンは、クロバネの友人になるために魔法や武器を学ぼうとする。順番が逆なんですよ。そこがヤバいほど真っ直ぐです。
したがって、城からの出奔は王族の責任を捨てる家出ではありません。安全な王城を離れ、世界を見て、将来王となる自分を鍛える修業の旅です。
クロバネはなぜ王子についていったのか
クロバネがスタンについていった理由は、赤ん坊の頃から続けてきた「見定め」を、冒険の中でも続けるためです。
この国の王族には、猫が生まれた子供を気に入れば友となり、生涯を共にする習わしがあります。クロバネも次代の王となる赤ん坊の顔を見るため、猫竜に頼まれて王城を訪れました。
しかし相手は、まだ人格も分からない赤ん坊です。クロバネはすぐに友人と決めず、どのような男へ育つのかを見届けるため城に残りました。
その間、クロバネはスタンの遊び相手、護衛、教師となります。スタンにとっては、父である国王以上に身近な英雄でした。
原作で確定しているのは、スタンがクロバネと城を抜け出し、国境を越えて各地を冒険することです。クロバネは危険から遠ざける保護者ではなく、危険を越えられる男へ育つ姿を隣で見届けます。
私には、護衛というより師匠兼試験官に見えました。クロバネは王子だから付き従ったのではありません。いつか対等な友として隣に立つ資格があるか、スタンの生き方そのものを見ています。
クロバネが育てるのは王子ではなく一人の冒険者
クロバネとスタンは、王子と飼い猫でも、主人と従者でもありません。赤ん坊と見届け役として始まり、師弟となり、やがて肩を並べる友へ変わっていく関係です。
スタンは後に各国を巡り、英雄王、そして七英雄の一人と呼ばれる存在になります。壮大な未来の始まりが、「この黒猫に認められたい」という少年の憧れなのが尊い。
尻尾を握って眠っていた赤ん坊が、今度は自分の足でクロバネを追いかける。クロバネがいつスタンを正式に友と認めるのか、その瞬間がますます楽しみになりました。
【公式サイト・引用・参照】

読んでいただきありがとうございます。
『猫と竜』4話は、王子スタンとクロバネの絆が尊い回でした!

クロバネに認められようと城を出るなんて熱いにゃ!
猫の尻尾に夢中なユウも変態にゃ!

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