B級ダンジョンを突破して「冒険者パートが本格始動だ!」とニマニマしていたら、後半で待っていたのは宝箱より厄介な王家の口約束でした。
2期3話は、キールが回復役として仲間に定着する爽快さと、彼の人生を道具にしようとする貴族社会の怖さを同時に描いた回です。カルネル家再興の約束は、善意の救済ではありません。
※この記事は2026年7月18日に更新されました
※カルネル家の行方に関するWeb版原作の先行情報を含みます
『ヘルモード』2期3話の感想:B級ダンジョンより王家の口約束が怖い
パーティー「廃ゲーマー」は、罠やミミックを警戒しながらB級ダンジョンを攻略。約2か月をかけて最下層へ到達し、Bランク魔獣ヒュージボアを撃破しました。
クレナとドゴラが前衛を支え、セシルが火力を叩き込み、アレンが召喚獣を操る。そこへキールのオールヒールが加わり、ようやく全員の役割が噛み合いました。
銀箱から出たヒヒイロカネのナックルを掲げるキールも最高です。家族のために金を必要としているだけでなく、本人もわりと金が好きらしい。セシル命名の「金の聖者」はズルい(笑)。
ところが、この回の本当に怖い敵は魔獣ではありません。アレンがグランヴェル子爵へ事情を伝えたことで、「5年間働けばカルネル家を再興する」という約束そのものが疑わしくなります。
王家の使いが仕掛けた謀り事とは何か
王家の使いの狙いは、希少な僧侶キールを戦場へ送り、有力貴族側の回復役として長期間拘束することです。
カルネル家が取り潰されれば、貴族たちは将来使える僧侶を失います。そこで使いは、家と妹を失う恐怖をキールへ突きつけたうえで、「5年間の務めを果たせば家を再興できる」と持ちかけました。
救いの手を差し伸べたように見えますが、実際には断れない状況へ追い込んでいます。しかも通常より長い5年間です。
グランヴェル子爵は、その約束を知りませんでした。使いはグランヴェル家がカルネル家を陥れたかのように語り、国王が再興を保証したような印象まで与えています。しかし正式な契約書はなく、国王本人の承認も確認できません。
アレンの調べでは、キールが向かう戦場は3年間で半数、5年間なら7割が命を落とすほど危険です。使いはその重さを十分に説明せず、家族を守りたいキールの心を利用しました。ゲスい。実にゲスい。
Web版原作では、使いが王太子の配下であり、王太子に才能を持つ10歳の娘がいると判明します。
キールを王太子の娘へ同行させる計画だったとは明言されていません。ただ、娘の年齢と5年間という期間を考えると、彼女を戦場で守る回復役としてキールを確保しようとした可能性は高いと私は見ています。
王家の使いはキールを助けたのではなく、再興という希望を餌にして、生存率の低い戦場へ縛りつけようとした。これが謀り事の正体です。
カルネル家は本当に再興されるのか
2期3話の時点では、カルネル家の再興は保証されていません。
国王が認めた証拠も正式な契約書もなく、使いが口頭で約束しただけです。キールが5年間生き延びても、「そのような話は知らない」と切り捨てられる危険がありました。
そこでアレンは、口約束を信じて待つのではなく、キールが戦場で大きな功績を挙げ、その戦果を材料に国王へ再興を願い出る方針を立てます。王家が無視できない実績を取りにいく。発想が完全に廃ゲーマーです。
グランヴェル子爵も、自分の名を勝手に利用された以上は放置できません。Web版原作では、国王が約束を知らなかった事実を公の場で明らかにし、後に国王名義の正式な契約書を取りつけます。
そして結論から言えば、カルネル家は後に再興されます。
キールはローゼンヘイムでの功績を認められ、男爵として旧領の半分と領都を受け継ぎました。かつての子爵家と同じ形ではありませんが、妹ニーナや使用人たちが帰る場所を取り戻す願いは実現します。
最初の約束は、キールを利用するための罠でした。それでもアレンたちは、曖昧な口約束を正式な契約と戦功へ変え、キール自身の未来として奪い返します。ここが実に気持ちいい。
キールの父はなぜ僧侶の才能を知って絶望したのか
キールの父が絶望した本当の理由は、2期3話でもWeb版原作でも明言されていません。
分かっているのは、キールが5歳で僧侶の才能を持つと判明した直後、父が絶望した表情を見せ、彼を領都から遠ざけたことです。それまで大切に育てられていたキールの生活は、そこから大きく変わりました。
王家や有力貴族に僧侶として囲い込まれ、危険な戦場へ送られる未来を父が恐れた可能性はあります。その一方で、家に災いを招く存在としてキールを切り離そうとしたとも読めます。
どちらにせよ、父の行動を単純な愛情として美化はできません。キールは十分な説明も教育も生活費も与えられず、妹と使用人たちを養う責任まで背負わされました。
父が息子を守りたかったのか、自分と家を守りたかったのか。その答えは描かれていません。ただ、僧侶の才能を持つ子供が、本人の意思とは無関係に貴族の都合へ組み込まれる世界だという事実は見えてきます。
皮肉なのは、キールがかつて憎んだ才能を、家族の帰る場所を取り戻す力として受け入れていくことです。才能が彼を不幸にしたのではありません。その才能を所有物のように扱う大人たちが、彼の人生をねじ曲げました。
キールの運命まで攻略対象にするアレンが頼もしすぎる
アレンはB級ダンジョンを攻略しただけでは終わりません。王家の嘘、貴族の思惑、口約束の穴まで見つけ、キールの人生そのものを攻略対象へ加えました。
しかも「かわいそうだから助ける」ではなく、「同じ戦場へ行くなら、一緒に勝って目的を達成すればいい」という温度なのがいい。
キールの目的が魔王討伐でなくても構わない。家族のために領地を取り戻したいという願いごと、仲間として受け入れています。
金の聖者は、もう便利な回復役ではありません。妹と家族のために帰る場所を取り戻そうとする少年です。その願いまで自分たちの勝利条件へ組み込むアレンが頼もしすぎる。控えめに言って、このパーティーは尊いです。
【公式サイト・引用・参照】
- アニメイトタイムズ『ヘルモード 第2期』第15話「ダンジョンを攻略せよ」あらすじ&場面カット
- Web版原作「第126話 騒動②」
- Web版原作「第130話 成長」
- Web版原作「第132話 ハト②」
- Web版原作「第138話 王太子」
- Web版原作「第221話 謁見③」

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
『ヘルモード』2期3話は、ダンジョン攻略の爽快さと王家の思惑が交差する濃い回でした。

キールを口約束で戦場に縛るなんて、王家の使いは本当にゲスにゃ!

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