アレンが100万の魔王軍を相手にすると聞いても、「まあアレンなら何とかするでしょ」と思っていました。ところが今回は敵のほうがゲームを分かっている。火力で勝てないなら、プレイヤー本人の時間を奪えばいい。嫌らしい、実に嫌らしい(笑)。
第23話「開放者」は、アレンの強さが通用しなくなった回ではありません。圧倒的に強いアレンをどう止めるか、魔王軍が「戦争の広さ」で答えを出してきた回です。
公式の話数表記は通算第23話。第2期だけで数えると11話目なので、ここでは第23話(2期11話)として扱います。
※この記事は2026年9月12日に更新されました
ヘルモード 2期11話 感想|第23話は無双より怖い「アレンを休ませない」戦争
今回いちばん面白かったのは、アレンを弱体化させずに苦戦を成立させたことです。敵のステータスを急に盛るのではなく、「強すぎるアレンを戦場へ縛りつける」という発想で追い込んだのがうまい。
アレンを除く「廃ゲーマー」は奪還したラポルカ要塞の防衛へ。アレンはネストへ侵攻する魔王軍を引き受けます。いつもの彼なら大軍すら経験値に見えてきますが、今回は魔王軍が休む間を与えない。
召喚獣は疲れにくくても、アレン本人には睡眠も食事も必要です。敵がそこを突いてくる。主人公だけが効率厨で、敵は経験値袋――そんな一方通行ではなく、魔王軍も過去の敗戦から学んでいるのが良かったです。
アレンはなぜ100万の魔王軍に苦戦したのか
アレンが苦戦した理由は、100万という数そのものより、魔王軍が部隊を交代させながら昼夜を問わず攻撃し、アレン本人を休ませず戦場へ拘束したからです。
原作の同じ戦いでは、魔王軍は全軍が一斉に突っ込むのではなく、一部が前線で戦う間に残りを休ませ、交代しながら攻撃を続けます。対してアレンは一人。召喚獣を入れ替えられても、指揮する本人の時間と体力は分身できません。
しかも目的はアレンをここで倒すことだけではありません。アレン自身が、敵は自分の時間を消費させ、その間に別方面でラポルカ要塞やローゼンヘイムを攻めるつもりだと見抜きます。
アレンがネスト方面を離れれば目の前の魔王軍が前進する。残れば別戦線へ本人が行けない。どちらを選んでも敵に利益が出る。今回は「100万対1」より、「一人しかいないアレンの可処分時間対、複数戦線を動かせる魔王軍」の勝負なんです。
廃ゲーマーにとって高レベルボスより時間泥棒が怖い、というのが妙に説得力あります(笑)。
ここで召喚獣を大量投入すれば済むように見えても、問題は撃破数ではありません。魔王軍は補充と交代ができ、アレンは戦況判断を続けなければならない。敵は「勝てない相手を倒す」のではなく、「勝てる相手に別の仕事をさせない」ことへ目的をずらしています。
なぜアレンだけがネスト方面で戦う?クレナたちはどこにいるのか
アレンが単独でネスト方面へ向かったのは、仲間を置き去りにしたからではなく、ラポルカ要塞とネスト方面を同時に守るための戦力分担です。 クレナ、セシルたち「廃ゲーマー」は奪還したラポルカ要塞の防衛に残っています。
公式あらすじでも、アレンを除くメンバーはラポルカ要塞の防衛戦、アレンはネストへ侵攻する魔王軍の殲滅を担当すると明示されています。召喚獣を介して離れた場所と情報をつなげられるアレンだから成立する分業です。
ただし、その長所を魔王軍も逆手に取った。遠距離で状況を把握できても、アレン本人が二つの戦場へ同時に現れることはできません。万能に見えた召喚士へ「本体の位置」という物理的な制約をぶつけてきたわけです。
強キャラを雑に弱くせず、それでも楽勝にはしない。私はこの追い込み方、かなり好きです。
アレンの強みは、召喚獣を使って一人で何役もこなせることでした。今回はその便利さがあるからこそ、「じゃあ本人だけを忙殺すればいい」と敵に答えを出される。長所の裏面を弱点として使うので、苦戦してもアレンが急に鈍くなった感じがしません。
ここからはアニメ第23話より先の原作ネタバレを含みます。
アレンはヘルミオスに何を相談したのか
アレンがヘルミオスに相談したのは、魔神レーゼルを倒すための戦力についてで、最終的には勇者ヘルミオス本人をローゼンヘイムへ援軍として呼ぶためです。
第23話では「今後に関するとある相談」と伏せられていますが、原作では後に目的が判明します。アレンは魔神と戦った経験を持つヘルミオスから情報を得たうえで、指揮化した召喚獣を使ってもレーゼル戦は厳しいと判断していました。
倒せても仲間に死人が出るような勝ち方は選びたくない。そこでローゼンヘイム女王からギアムート帝国へ働きかけてもらい、「勇者を借りる」段取りまで組みます。
ここ、アレンの性格がよく出ています。強敵を前に「俺がもっと強くなればいい」で抱え込まない。勝率を上げるためなら国家間の交渉まで先回りして仕込む。本人はゲーマー感覚でも、やっていることは軍師兼外交官です。
ヘルミオスは魔神討伐の実績を持つ勇者。その男をわざわざ呼ぶ必要があるという事実だけで、レーゼルの格が分かります。100万の軍勢に時間を削られ、その先には魔神。いやあ、ちゃんとヘルモードしてきました。
無双できる強さがあっても、戦争では一人で全部は守れない。第23話はその当たり前を、アレンの積み上げを壊さず突きつけたから面白かったです。敵も攻略してくるから、こちらも攻略し直す必要がある。次に見たいのは、ここから廃ゲーマーがどんな答えをひねり出すか。そこに尽きます。
【公式サイト・引用・参照】
- アニメイトタイムズ『ヘルモード 第2期』第23話「開放者」あらすじ&場面カット
- WEBザテレビジョン『ヘルモード』第23話「開放者」
- 小説家になろう『ヘルモード』第199話「海上戦」
- 小説家になろう『ヘルモード』第200話「軍事会議③」
- 小説家になろう『ヘルモード』第204話「代価」

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
第23話(2期11話)は、無双してきたアレンを「倒す」のではなく「休ませない」魔王軍の作戦が実にイヤらしかったです!

100万の物量より、交代制で一人だけ働かせ続ける方が怖いにゃ!
魔王軍、ブラック企業の才能まであるにゃ!

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