死闘のあとに待っていたのは、ルーチェの愉快なリアクションと、妙に落ち着かない大人同士の会話でした。第17話「ギルド長ハレイン」は、剣も魔法も振るわない場面でエルマを追い詰める回。ハレインの腹の読めなさは面白い一方、話の進み方にはさすがに注文をつけたくなります。
※この記事は2026年10月23日に更新されました
今回のポイント
- 希少ドロップ「毒ムカデの小刀」の高額さにルーチェが大混乱
- ギルド長ハレインとの面会で、エルマが慎重な駆け引きへ
- 会話劇の緊張感と、進行テンポの遅さが同居する第17話
高額な戦利品を前にしたルーチェが、やっぱり最高に騒がしい
百足坑道のデスアームドを倒したエルマとルーチェ。希少ドロップ「毒ムカデの小刀」は、攻撃時に確率で毒を付与できる、ルーチェに相性のよさそうな武器です。ところがその価値を知ったルーチェは、喜びを通り越して錯乱。小刀を投げ捨てようとするほど大慌てになるのが、実に彼女らしい(笑)。
そもそもルーチェは、使い道を見いだされずにパーティーから追い出された少女です。その彼女がエルマと組み、危険なダンジョンを突破して希少な戦利品まで手に入れる。成功を重ねてもなお大金に振り回される、このちぐはぐさが愛おしいんですよ。
もちろん、あのリアクション自体が面白いのも事実。シリアスな死闘から一気にコメディーへ戻す役割を、ルーチェ一人で担っていると言っていいくらいです。若山詩音さんの声の表情まで含めて、彼女の魅力は今回も安定しています。
エルマが合理的な判断を積み重ねる主人公だからこそ、ルーチェの感情の振れ幅が映える。二人が組んでからの本作は、この温度差があるだけでずいぶん楽しくなりました。
冒険者ギルドの受付・マルチダが運ぶ、戦闘後のゆるい空気
魔石の換金に訪れる冒険者ギルドは、命懸けのダンジョンとは対照的な場所です。受付のマルチダとのやり取りにも少し抜けた味があって、肩の力を抜いて見られる場面になっていました。
こうした日常寄りの掛け合いは、決して無駄ではありません。激戦で張り詰めた状態をいったん解き、次の不穏な展開へ視聴者の感覚を切り替えてくれる。ルーチェのはしゃぎ方と合わせて、戦いの後始末まで冒険の一部なのだと感じます。
ただ、緩急をつけることと、尺をゆっくり消費することは別問題。今回のギルドパートは会話の面白さがあるだけに、もう少し小気味よく進めれば、後半のハレイン登場がさらに効いたはずです。
ギルド長ハレインとの駆け引きは、魔物相手の戦闘より厄介
今回いちばん気に入ったのは、ハレインと向き合うエルマの慎重さです。デスアームドへの対処では、ゲーム知識をもとに敵の能力や勝ち筋を考えられた。ところが目の前のギルド長は、何を考えているのかが簡単には読めません。
マスターの異常な存在進化は放置できない。だから報告の必要がある。しかし、情報をどこまで、どう伝えるのか。相手の真意が見えないまま会話を進める状況には、刃を交える戦闘とは別種の怖さがあります。
ハレインの人物像も、単純に威圧する強者とは違います。落ち着いた態度で相手に考えさせるタイプの人物だからこそ厄介。エルマが身構えるほど、会話の裏で何を探られているのかが気になってきます。
とはいえ、怖い相手との会話を長く描けば、それだけ緊張感が増すわけではない。探り合いの心理は面白いのに、報告の本題へなかなか進まない構成には、もどかしさが残りました。
エルマの「ゲーム知識」が万能ではないところに味がある
この作品は、前世で遊び尽くしたゲームの知識を使い、不遇とされる重騎士の強さを引き出す物語です。だからこそ、ギルド長のような人間を相手にすると、エルマの強みの見え方が変わります。
モンスターならスキルや行動パターンを踏まえて攻略できる。でも、人間には立場も思惑もあり、手の内をすべて見せてくれるとは限らない。エルマが今回警戒しているのは、そういう「攻略法が一つに定まらない相手」なのだと受け取りました。
しかも彼は、もともと伯爵家の跡継ぎとして育てられた人物。力で押すだけでは済まない場面に置かれても、言葉を選びながら踏みとどまる。その姿には、追放される前に培ったものも生きているように感じます。
戦闘能力の高さだけでなく、こういう場面での立ち回りがエルマの魅力になっていけば面白い。ただし今回は、その面白さを提示したところで時間切れになった印象が強いです。
GoHandsらしい映像の美しさと、拭えないテンポの問題
第17話は大規模なバトルを見せる回ではなく、リアクションと会話で引っ張る構成。それでも画面の華やかさやキャラクターの表情に見どころがあるのは、GoHands制作の本作らしいところです。
とくにルーチェの顔と声が動くと、場面の空気が目に見えて変わる。派手なアクションがなくてもキャラクターを眺める楽しさがあるのは、ちゃんと作品の武器になっています。
第2クールの公式PVにも、ラコリナでの冒険やルーチェたちの躍動感が詰まっています。会話が中心の今回とは違う、作品の映像面の魅力を確かめられる映像です。
一方、過去場面のおさらいや長めの会話で足踏みする構成には、シリーズを通して不満の声があります。今回は戦利品の処理からギルド長との面会へと進んだものの、肝心の報告とその先の展開をもっと見たかった。
溜める演出は、次の一手が飛び出すからこそ気持ちいいもの。ハレインの存在感が十分に立っているだけに、あの緊迫した会話をもう一歩先まで描いてほしかったですね。
SNS・視聴者の反応|ルーチェとハレインは好評、テンポには厳しい声
放送後のXの公開投稿では、第17話の受け止め方に違いが出ていました。ルーチェが高額武器を手放しかける場面の大げさな動きや、若山詩音さんのリアクションを楽しむ声がありました。ハレインとエルマの読み合いを面白がる投稿も確認できます。
受付のマルチダを含むギルドでの掛け合いを好意的に受け止めた投稿もありました。前回の激闘から一転して、キャラクター同士のやり取りを楽しめる回だったという見方です。
その一方で、ギルド長へようやく会えたところで報告が進まない構成には、「本題に入る前に終わった」「このやり取りで週をまたぐのか」という不満も出ています。今回の長い間の取り方には、さすがに厳しい声がありました。
この両方の感想には納得できる部分があります。ルーチェとハレインのキャラクターは魅力的なのに、物語をもう少し先まで見せてほしい。第17話は、まさにそのジレンマが強く残る回でした。
ハレインは敵なのか、協力者なのか。その判断を急がせない不気味さは好きです。だからこそ、エルマが何をどう伝え、この相手とどんな関係を築くのかを、次回はじっくり見せつつもテンポよく進めてほしいですね。
【公式サイト・引用・参照】

最後まで読んでくれてありがとう!
ルーチェの表情は今回も最高。でもハレインとの話、続きが気になりすぎる!

駆け引きは面白いけど、そろそろ本題に入ってほしいにゃ!(笑)

ルーチェ派もハレイン派も、SNSでシェアするときは第17話の感想をひと言添えてくれるとうれしいです!

